変な夢

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変な夢

 前章で、夢は脳の記憶に基づく、という話をした。  それが合っているなら、今回の夢には心当たりがある。  高校時代の友人に子供が生まれたので、共通の友人と連名でお祝いを贈った。  おそらく、これだ。  夢の中の私は、小さなビルの1階に構えた事務所のようなところにいた。  大きなプリンタや、机やらがあって、見た雰囲気は印刷会社のような感じだ。  従業員は、上は作業着で下はスーツという、メーカーの営業みたいな恰好をしている。  なんとなく、伝わるだろうか。  中小企業の支店みたいな、ビルの1階だけ借りて営業している事務所のような……。  だが、実はここ。ギフト・カタログの専門店。  この時点で、すでに謎だが、そこは夢。そして、私の夢は毎度こんなちぐはぐしかないのである。  ギフト販売の店(いや、会社?)に来ている私は、客だ。そう、友人の出産祝いを注文した。  どうやら、ネットで頼んだ注文の品を確認しに来たらしい。ほら、夢でしょう? 実際、そんなことしないもの。  何を頼んだかは不明だが、用意された品物を見て、私はがく然としている。  A4判の茶封筒に、汚い手書きの字で、宛名と住所。しかも、色ペンでこれまたセンスのない絵や飾りを、ご丁寧に加えているのだ。  何だこれは。子供の手作りか。  まず、ギフトが茶封筒で送られるってどういうことだ。美しくないし、贈りものだって言ってるのに、これでは失礼だ。中身が傷ついたらどうするんだ。中身はだって……何だっけ。  わかるわけがない、夢だから。  さらに。頼んでもないのに、勝手にメッセージカードを付けている。待て、文章は誰が考えたんだ?  中を見てみる。『ご出産おめでとう』という当たり障りのない文言。うん、それはいいのだが。 『いとこの○○ちゃんも喜んでるよ』  この○○には、私の中学時代の友人の名が入っている。  何で彼女の名前が出てくるんだ、いとこじゃないし。○○が喜んでるって、どこから聞いたのよ。もう、めちゃくちゃだ。
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