くしゃみいろいろ

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 小さい頃から、他の人のくしゃみを聞いては、いろんなものがあるな、とは思っていた。  父のは『バアッシュ』という感じだし、母はくしゃみの後に『もう』と言う。弟はくしゃみを出した勢いで『ういい』と言うし、友人はなぜか1度で終わらないらしく、小分けにしてずっと『えっふ、えっふ』を繰り返す。  この世の中、人の数だけくしゃみの種類が存在するわけだ。  私の好きな漫画に篠原健太先生の『SKET DANCE』という学園コメディがある。詳しくは、集英社かジャンプを見ていただければと思う。  この作品、もとい篠原先生のギャグセンスが私のドストライクで、それはそれは爆笑を繰り返したものだ。  出会ったのが、大学時代。やはり10~20代で触れたコンテンツというのは、その後の人格形成に大きく関わってくるのだと思う。  スケダンにはかなり影響を受けているはずだ。今こうして、曲がりなりにも作品を書いたり、しょうもないことを話している中でも、きっとそのエッセンスが含まれている気がする。  事実、くしゃみ遊びも、スケダンのネタがきっかけであった。  22巻、第192話『フィギュア・ドール・ペインティング!』より。  話の内容は割愛するが、ポイントは、くしゃみによって、どんどん事態が悪化していくという展開が描かれていることだ。  ここで使われるのが『いっきし』なのだ。しかも何度も。  ひらがな表記、『いっきし』をしたキャラの間抜けた顔が私のツボにはまった。  いやあ、やっぱりくしゃみと言えば『いっきし』だよなあ。  『いっきし』がマイブームになった私、まずは『いっきし』を実生活に取り入れて遊んでみた。  これにウケたのが、ドリフ世代の母である。笑われたら、当然私は調子に乗って『いっきし』を続ける。  その後も、どこかで見た猫のくしゃみを真似してみたり、誰かの『うええい』(弟でもあり、他の人でもある)を採用しては、試す。  そうこうするうちに、前ページに挙げた5パターンに分類されていったのだ。  もし万が一、私と同じくしゃみで遊ぶ族の方に出会えたら。  ……どうしましょうかねえ。まず、どんなパターンがあるか聞きたいなあ。それから、お近づきの印に、おひとつ賞品でも差し上げますかい?  なんて、意外といたら困るので、やっぱりなし。
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