いい年した大人が迷子になったり、ピザやケーキ食べたり、UNOで遊ぶだけの話

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 N子が流しの前に立って、食器を洗う。上の棚にキッチンペーパーがあったので、私がそれを取って拭く係を始めた。  しかし、ロールから1枚ずつ取っては、食器を拭くのは意外にもやりづらい。拭くだけで両手を使うのだ。あともう1本、キッチンペーパーを持っておくだけの手が欲しい。  と思っていたら、傍に手持ち無沙汰のS子がいた。 「はい」  私は彼女にキッチンペーパーを渡した。私が引っ張って取りやすいように、両手でキッチンペーパーを持つだけの存在。  キッチンペーパー係が誕生した。 「え、私これ持ってればいいの?」 「そう、持っててくれると助かる」 「OK、そしたら私は、全力でキッチンペーパーを持っとくね」  とはいえ、そう立て続けにキッチンペーパーを取るわけでもない。キッチンペーパーを持って、ぼう然と突っ立っているS子。時折、クルクル回って遊ぶ。  まあ、愉快なキッチンペーパー係だこと。 「S子、」 「あ、はい」  キッチンペーパー係の大活躍もあり、全ての用意を終えた我々、ようやくピザのお時間を迎えることとなった。 「何飲む?」 「私、ウーロン茶」 「私はコーヒー牛乳で」 「じゃあ、食べようか!」 「乾杯!」 ↓手前が肉ピザ、ポテトは2箱。隅に転がっているのはからあげくんで、写真右上に鎮座しているのがキッチンペーパー。418772d5-0909-4317-afba-cd34f472f992
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