24人が本棚に入れています
本棚に追加
反対に、カード運がよいとホイホイ勝ててしまうのが、UNOである。
なんとこの熊野、立て続けに2連勝した。
あの時の、色を取るか数字を取るかの選択が、ばっちり決まったらしい。これは気持ちいい。
コツは、やはりドローツーやリバース、スキップなど、数字以外のカードを極力残さないことである。
奴らがいると、どうしても上がりにくい。
もしドローツーを食らってカードを引いたとしても、順に捨てて行けばいい。
え、他のプレイヤーが先に上がっちゃう?
大丈夫、上がらせなければいいのだ。自分より前に。
誰かの攻撃に備えて取っておくより、誰かを攻撃するために積極的に使うべし。
今回、私が学んだUNO勝利の心構えである。
「あ、そうだ」
と誰かが提案した。
「次はさ、勝った順番にN子が買ってきてくれたケーキを選べるってのは、どう?」
「お、いいね」
「食べ物が絡むと、やる気出るね」
別に、負けたところで食べられないわけではない。それでは罰ゲームだ。
高野のケーキなんて、何を食べたって美味しいに決まっている。
それでも、ケーキと聞いたとたん目の色が変わった我々は、やはり食いしん坊なのだろう。
さて、結果はというと。
先ほどあんなに得意げに『勝利の心構え』など説いていた私が、最下位になってしまった。
1位はS子。やはり、食べ物が絡むと強い。2位は、前半で散々苦しめられたN子。3位が、前半はそこそこいい順位を保っていたC子。で、4位は株価大暴落の熊野。
「下剋上だ、下剋上」
全く、下剋上もいいところである。戦国大名も真っ青だ。
こういう時に、すんなり『下剋上』という言葉が出てくるあたり、一応日本史専攻の学生だったんだなと思う。
普段はすっかり忘れているけど。
最初のコメントを投稿しよう!