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ハチ公前で、解散することになった。
S子とN子はJR。N子に至っては、これから茨城の日立まで帰るのだ。明日も仕事だというのに、ご苦労なことだ。
「今日はありがとう」
「また会おうね」
「今度はどこ行く?」
「あ、私ピューロランドとか行ってみたい」
とS子が言った。
「全然行ったことないんだよね。ほら、うち浦安で遠いじゃん? 行きたいって言っても連れて行ってくれなくて。近いしディズニーでいいだろって」
八王子出身の私からすれば、そちらの方が驚きだが。
「ピューロランドって多摩センターだよね」
「そう」
「じゃあ、割と近いかも?」
「N子だけ遠いけど、大丈夫?」
「東京って時点で、私はどこも変わんないよ」
それはそうだ。
「ま、どんな形でもいいから、また会いましょ」
名残惜しいが、これから帰らなければいけない。
手を振り、JRの改札に向かうS子とN子を見送った。
「行こうか」
行きは田園都市線で来たC子だが、帰りは途中まで一緒に井の頭線で帰ることにした。
明日は仕事だの、早番だの、他愛ない話をしていた2人であったが。
いつのまにか、加齢で体重が落ちにくくなった話になっていた。
「なんかさ、こういう話が出てくること自体、年取ったなって思うよね」
「確かに」
こればかりは仕方ない。
私たちも出会って、もうずいぶん経つのだ。
だったらせめて、健康でいて。またみんなで会って遊べるように。
これくらいしか、できることもないもんで。
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