山歩きの話~その1.高尾山~

2/13
前へ
/126ページ
次へ
 さて、それからまた数年後。  2022年、11月2日。  前章に登場した、大学時代の友人4人のLINEグループにて、S子がこんな発言をした。 『今、1人で高尾山に来てるよ!』  驚きである。  彼女は、学生時代ずっとテニスをしていたスポーツマンではあるが、歩くのは苦手だったはずだ。  みんなで歩けば、スピードは遅く自然と後方に下がり、止まれば疲れた疲れたと訴えていた、あのS子が。 『最近趣味を登山にしようと思って!』  元気だなあ。  そんなことを思っていたら、高尾山のケーブルーカー乗り場の写真が流れてきた。  いいなあ、私も登りたい。いや、登れるようになりたい。 『今度、一緒に行こうよ』  そう送ってみた。 『5日だったら、空いてるよ! くまちゃんよかったら、いかが?』  5日は土曜日か。空いている。行ける。 『行く!』  こうして、私の山歩きライフが幕を開けたのだった。 ※前章のURL。S子とは、キッチンペーパー係のS子である。 https://estar.jp/novels/25808063/viewer?page=51
/126ページ

最初のコメントを投稿しよう!

24人が本棚に入れています
本棚に追加