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年をまたぎ、2023年の2月18日。
私は登山靴とリュックを携えて、S子と再び高尾山に登った。
「今回のコースはどうする?」
「前と同じにする!」
ぜひとも、靴の違いを試したい。そのためには、私をペンギンにしたあのコースと同じ道を歩くのがよいだろう。
上り始めて、すぐに違いに気付いた。
感覚的な表現ではあるが、登山靴は固くしっかり足を覆ってくれる。だから、例えば木の根を踏んでも岩場を踏んでも、足裏に感触がそこまで伝わってこない。
スニーカーの時は、まるで裸足で歩いているくらい、ゴツゴツ感じていたのに。
これの何がよいかというと、足が疲れにくくなるのだ。
リュックもだいぶ違う。前回よりも荷物が多いのに(水を多めに持ってきた)、負担に思わない。
容量もあるから、暑くなって脱いだ上着を中にしまえる。前回のように腰に巻いて、いちいち結び目がずれたり解けたりするのを気にしなくてよい。
相変わらず、息は上がるし、汗はダラダラ落ちてくる。
しかし、私は登山をしている。私は動いている。
何だろう、この妙な充足感は。
頂上に着いて眺める景色。そのために登っていると言ってもいいくらいだ。
冬の晴れ空は、とてもきれいだ。
富士山もよく見える。
↓雪と雲をかぶった富士山。雲ひとつない、きれいな青空。
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