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S子が、ブタメンとコーヒーを持ってきてくれた。
「これ、山用のタンブラーなの」
そう言って彼女が取り出したタンブラー、一般のものよりずっと保温性が高いのだそう。
その能力の高さたるや、カップ麺も作れてしまうほど。
「最近は、おにぎりとこれと、小さいカップ麺を持って行って、頂上で食べたりするんだ」
それは間違いない、至福だろう。
実は熊野、人生初のブタメンである。
人生初が、こんな最高のシチュエーションでいいんだろうか。
そりゃ、美味しいさ。
食後には、お菓子とスティックタイプのインスタントコーヒー。
ささやかな食事とおやつで、どうしてこんなに幸せになれるんだろう。
人間って、現金なものだ。
それかもしかしたら――今の姿こそが、私たち人間の本当の姿なのかもしれないと思った。
たっぷり休息を取り、他愛ない話に盛り上がるうち、頂上の広場には人が増えてきた。
やはり、土日は人が多くなる。
この日も前回も、我々は高尾山のふもとに8時半集合としていた。
うん、早めに来て正解だった。
↓2人でブタメン。S子いわく、ミニフォークを写真のように刺すと、フタを抑えられるらしい。……賢い。
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