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さて、2023年。11月になっても夏日が続き、もはや今が何月でどの季節なのか、多くの日本人が現在地を見失っていた。
私も、もれなくその1人である。
結局、一気に冬が来て(かと思えば、また暖かくもなっているが)寒くなったが、冬支度がちっとも追いつかない。
コートをどうにか出し、暖房をつけるようにはなった。が、例年ならカーペットを敷き、モコモコパジャマに変更し、湯たんぽをベッドに仕込み始めてもいい頃なのだ。
困ったことに、週末はそこまで寒くないのに、平日に一気に追い詰められた。
寒い、とにかく寒い。だが、平日は無理だ。カーペットを敷く元気もないし、まずクリーニングに取りに行かねばならない。
11月の最終週、日曜日。ようやく私は重い腰を上げ、クリーニングに取りに行く決意をした。
時刻はもう15時を回っている。すいかさんへ渡す、おたおめイラストがひと段落したところである。
クリーニング用の袋(お店がくれたもの)のポケットに、メンバーカードと控えを常に入れてある。失くしもの常習犯は、絶対ここという場所に入れておかなければならない。
「……?」
そのポケットにない。混乱した。
「財布か!?」
見てみたが、ない。
うっかり、袋の周りに落ちているかもと、床を探してみた。カードケースも見てみた。ない。
ベッドの下にも、流しの下にも、食料を入れる棚にも。どこにもなかった。
「参った……」
最後に使ったのは、8月の盆休みだ。
当然、その時にどこにしまったかなんて、覚えてるはずがない。
というか、覚えていたら、こんなことにならない。
まずい。控えもカードもなければ、どうしたもんか。
しかし、どうにかしないと、ラグは引き取れない。我が家の床は、永遠に冷たいままだ。
カードを探すか。店に連絡するか。
「とりあえず……」
今日のところは保留にして、イラストの完成を優先させた。
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