3、ステラギアVSアルバトロス

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『白銀のステラギア』  100年前、世界的大異変『パラダイムシフト』により、地球は異世界、あらゆる次元、宇宙が入り乱れる闇鍋状態に陥った。  しかし、100年も経てばそんなゲロみたいな状況にも慣れるもので、人々は割と普通な暮らしを営んでいた。  勿論、大なり小なりの犯罪はあるが、関わらなければ問題は無い。  幼馴染みがエイリアンで、お隣さんが異世界人、怪獣からラブレターを貰っても、知らん顔していれば平穏無事に過ごせる。  だが、アマキリ・アヤトはそうしなかった。  亡き姉との約束の為。  何より、趣味と実益を兼ねて。  彼はあえて非日常に首を突っ込んだ。  正義の味方になる為に。 「装動(クロスアップ)!!」  アヤトの体を銀色の粒子が包み込む。  粒子は凝縮し、白銀のプロテクトギアとなってアヤトの全身を覆い尽くした。  このプロテクトギアの名は『ステラギア』。  アヤトの姉である天才科学者、アマキリ・アマネが作り上げた汎用強化外骨格である。  開発に際し、異界の技術が無尽蔵に使われており、単純な防護服以上の能力を有している。  あらゆる環境に対応する適応性。  核弾頭の直撃にも耐える装甲。  全身に仕込まれた科学兵器に加え、万物の事象さえも操るブラックボックスまで盛り込まれているという。  愛する弟の為に、アマネが全才能を結集して作った最高傑作なのだ。 「面妖な…!」 『失礼ね。わたしが作った物にケチつけないで頂戴』  制御システムは、アマネの人格が移植されたアストラルインターフェースが担当している。  これにより、アヤト以外の人間は『ステラギア』を纏うことが出来ない。 「さて、ちょっと大人しくしてもらうよ」 「小賢しい…。その程度の玩具で私を御せると思ったか!」  結奈はアルバトロスを振り上げ、空中に円を描いた。  円から眩い輝きが降り注ぎ、結奈の身体が変化を始める。  黒かった髪が金色へ変わり、右側の瞳が赤色へと変わっていく。  胸部には胸当てが、手と足にも装甲が装着され、背中から光輝く翼を伸ばして結奈は真の姿へ変貌した。 「光輝戦士ユナ!聖剣アルバトロス!推して参る!」
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