【3】宣誓布告です?

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皆の前では“麻衣美さん”と呼ばれているけれど、2人っきりだと“麻衣美”と呼ばれていた。 この日から四日間、翔兵くんは修学旅行があったため寂しかった。 大きく溜め息を吐くと「どうしたの??元気ないじゃない」と、弓実が心配そうな顔をした。 「えっ?あぁっ!ううん!!何でもないよ?」と言い、笑って誤魔化しながらおしゃべりをしていた。 どうやら最近、正治さんと上手くいっていないみたいで喧嘩ばかりしているのだと愚痴られた。 「そーいやぁさ、アンタんとこの連れ子くんの翔兵くんってイイ男だよね♡いいなぁ…」と言いながら、弓実はまたしても大きな溜め息を吐いた。 内心、ホッとしてしまった。 何となく自慢をされて、多香子も嫌がっていたし私も何だか嫌だったから、安心していると「ねぇ、今日泊まらせて♡」と、いきなり言ってきた。 毎回のことだけれど、最近は両親がいないことをいいことに、弓実は一ヶ月に一度は泊まりに来るようになった。 「翔兵くん、今修学旅行でいないよ?」と言うと「ガッデム!そうなの~?!じゃあ、また今度にするわ…はぁ~あ…」と言いながら、弓実は机にうっつぷしていた。 体育の授業となり、私たちはソフトボールで男子たちはサッカーをしていた。 私は体育が大嫌いだった。 というのも、聖人に「うすノロマメガネ」と言いながらバカにしてきたからだ。 従兄弟とはいえ、私の傷つくことを言ってきたりして、体育の授業は凄く嫌だった。 多恵子は、聖人のどこがいいンだろう? そんなことを思いながら、バットを振ると三振だった。 「相変わらず、ノロマだなぁ!」と声がし振り向くと、聖人たちがニッシッシッシと笑いながら私を見て笑っていた。 こういうことがあるから、男女一緒に体育をするのが嫌なんだ。 そう思いながら、体育の授業は終わった。 更衣室で着替え、教室へと戻っていき多香子と弓美の三人で昨日のドラマ・巡り合う二人の話をしながら、他愛もない話をしていた。 「ねぇねぇ!まだオフレコの話なんだけど、この主人公を演じてる、内海利恵(うつみりえ)って、アイドルユニットのGlow up!のnozomuくんと付き合ってるンだって!」と弓美が嬉しそうに話してきた。 「ウソー!?だって、内海利恵ってぶりっ子で、清純派アイドルじゃん??」と私が聞くと「パパがね、そう言ってたから間違いないわよ!」と言いながら、ドヤ顔をしてきた。 他にも、芸能人のゴシップネタで盛り上がっていて楽しかった。 この日、私はアルバイトだったからアルバイト先へと向かっていると、真澄が男の子と仲良く会話をしながら帰っていた。 気を遣って、ゆっくり歩いていると「お前、歩くのも遅いのかよ?」と聖人に肩を叩かれ、思わず「ぎゃあぁ!」と情けない声を出してしまった。 「何だよ。その変な声。お前、本当面白いよな」と言いながら、聖人はニカッと笑った。 聖人に触られたのか鳥肌が立っていて、腕を擦っていると「今日は悪かったな?」と言ってきて、頭が“?”となっていると「まぁいいや。またな」と言うと、聖人は口笛を吹きながらバイクを停車させていた場所へと小走りで向かった。 私もアルバイト先へと向かい、出勤をした。 レジをしていると、常連でダウン症の女の子が弟を連れてきて「いつものー!いつものください!」と言ってきて、私はポテトのSとハンバーガー二つとドリンクSを二つ注文をし、出来上がったのをトレイにのせてからテーブルへと運んだ。 「お姉さん、どうもありがとうございました!」と女の子がニコニコ微笑みながら元気良くお礼を言い、弟は顔も合わせないで頭を下げていた。 私も真澄とよくここに来ては、同じことをしていたなぁと思いながら、あっという間に仕事を終えた。 家に到着し、翔兵くんが作り置きをしてくれていたカレーの入ったお鍋を冷蔵庫から取り出し、お米を研いでいると「お姉、おっ帰りー♪」と言いながら、真澄が嬉しそうな顔をしていた、 「どしたの??」と聞くと「諸星真澄、13歳!彼氏が出来ました!!」と言いながら、真澄はピースサインをしニカッと笑っていた。 「はっ?!マジで??」と驚くと「うん♡隣のクラスの男の子で、ずっと気になってたみたい♪」と言うと、真澄は顔を赤らめていた。 今日は、真澄のささやかなお祝いをした。 しかし最近の中学生は、ませてるなぁ…
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