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この日は剣道の試合だったため、応援をしに行ってきた。
真澄も誘おうとしたら「彼氏とショッピングに行く約束してたから、私の分まで翔ちゃんの応援ヨロシクね♪」と言われていたから、そのことを言うと「ありがとう。でも、麻衣美が来てくれるのが一番の励みになるよ」と言うと、キスをしてくれた。
ということで、私なりに頑張ってお弁当を作ってみたから不安だった。
聖人もこの試合に出ていて、対戦相手だった。
ふと多香子がいるンじゃないかと思っていると、試合が始まった。
聖人が気合いを入れるために大声を出すと、その一瞬の隙を見て翔兵くんが小手と面を入れてから、軽く聖人を突き飛ばした。
前に同じことをされて、聖人はぶちギレて試合中止になってしまったことを思い出し「翔兵くん!!」と大声を出してから下へと降りていくと「小手一本!勝者、剣成会所属、橋詰翔兵」と放送が入り、両者深々とお礼をし去っていった。
翔兵くんに駆け寄ると「んっ?どうしたの??」と言いながら、翔兵くんはニコッと微笑んだ。
その笑顔を見て、ドキドキしていると「何だ、しじみメガネも来てたん?」と聖人の声がし、私が怯えた顔をしビクッとしながら振り向くと「俺の応援に来たのか♪」と言いながら、聖人はニコニコ微笑みながら私の両肩を掴んで、バシバシと叩いていると「怖がってるンで、触らないでいただけますか?」と言い、翔兵くんがニコッと微笑んでから私の肩を抱き寄せた。
すると「随分とまぁ馴れ馴れしい野郎だな?」と言い、聖人は私の手を引いて自分の方へと引っ張った。
二人とも目から火花がバチバチしていて、一触即発状態で「あっあの~…まだ試合があるみたいなんだけど…?」と私がポツリ呟くと「んっ?そうだね」と言い、翔兵くんはニコニコ微笑みながら私の肩を抱き寄せたまま歩こうとすると「おいコラっ!貴様、何者だっ?!」と言いながら、聖人が睨みながら指を差すと「俺?俺は、ただの通りすがりだよ」と言うと、翔兵くんはニコッと微笑んで私を連れ去っていこうとすると「せっ…宣戦布告だ!!」と聖人が言ってきて、翔兵くんが振り向くと「今日の夕方5時に、タコ公園に来い!どっちが麻衣美に相応しい男か勝負だ!!」と言いながら、聖人は竹刀で翔兵くんを差した。
翔兵くんは小さく溜め息を吐いてから「…わかった。ただし、容赦しねぇから」と言い、聖人を一瞬冷たい目をして見つめた。
私はドキドキしながら、二人の顔を交互に見ていると試合があったため、二人はそれぞれ自分たちのいるクラブへと戻っていった。
って、何か凄いことに巻き込まれてしまったっぽいです…
お母さん、助けて。
お昼ご飯の時間となり、翔兵くんとお弁当を食べながら他愛もないおしゃべりをしていた。
「んっ??惜しいね」と翔兵くんがニコッと微笑みながら私の顔を見た。
「えっ?何??何かあった??」と恐る恐る聞くと「鮭、半生。あとは美味しいよ」と言いつつ、全部完食をしてくれた。
「ゴメンね…魚だし、両面焼けたらいいかと思ってた」と言いながら、苦笑をすると「俺もよくやらかすからわかるよ。日本酒を少し振りかけてから、片面を3分30秒ずつ弱火で焼くと美味しく出来るって、オフクロが言ってたよ」と言い、翔兵くんはニコニコ微笑みながら料理のコツを分かりやすく教えてくれた。
何でもこなせて凄いなぁと思っていると「あれ?麻衣美ちゃん??」と多恵子の声がし、慌てて振り向くと「やっぱりそうだったンだ??」と言うと、翔兵くんに一礼をし、翔兵くんも一礼をし立ち上がると立ち去った。
多恵子が「あの人が連れ子さんなの?」と言ってきて、頷くと「へぇ~??何だか、凄く大人っぽいね♡」と言いながら多恵子は顔を赤らめ、他愛もないおしゃべりをしたが翔兵くんとお付き合いをしていることはまだ恥ずかしくて言えなかった。
ふと弓美の顔が浮かび「今のことは、弓美には言わないで!!」と多恵子に言うと「わかってるよ♪弓美ちゃん、凄くヤキモチ妬きだもんね。可愛いのに、もったいない気がする。ヤキモチほど、人の心を醜くするモノはないよねぇ…」と言い、多恵子は大きく溜め息を吐いた。
多恵子はおっとりしているようで、案外人のことをよく見ているのかズバッと言っていて、いつも凄いなぁと思ってた。
ちなみに今日は、聖人の応援をしに来たとのことだった。
ふとどこがいいのか聞いてみると「元木くんはね口が悪いけれど、本当は凄く優しいンだよ?前に私が弓美ちゃんにゴミを捨ててと言われて、大きなゴミを持っていたら無言で持ってくれたンだ♡」と言うと、恥ずかしそうにモジモジしていた。
意外な一面が聞けて、驚いていると「さてと、また明後日ね?このこと、私と麻衣美ちゃんの秘密だよ♪」と言い、多恵子はニッコリ微笑んでから応援席へと向かった。
この日の試合は、いつになく盛り上がっていた。
家に到着し、翔兵くんと他愛もないおしゃべりをしていた。
「あっ、そう言えば何で麻衣美はメガネ掛けてるの?もしかして、さっきの聖人に何か関係ある?」と翔兵がニコッと微笑みながら聞いてきた。
小学生の頃、父譲りの乱視が出始めてメガネを掛けるようになり、学校へ行くと「しじみ目メガネ!」と聖人に言われ、それが蔓延していったという話をした。
すると「ふーん…?あンとき暗くて、よく見えなかったけれど見せてみ??」と言いながら、翔兵くんは私の顔をマジマジと見つめ、メガネに手を掛けた。
私は咄嗟に顔を隠そうとすると「ダーメ♡見せて?」と言い、あっかんべーをしたあとウィンクをしながら、メガネを外した。
「わぁお♪切れ長の目で、超可愛いじゃん♡」と言われ、恐る恐る目を開けると翔兵くんの顔が物凄く近くにあって、思わず後ずさりをすると「可愛い♡」と言い、翔兵くんはニコニコ微笑みながら私の手を掴み、ビンタが出来ないようにと指を絡めた。
私たち姉妹はハーフなんだけれど、真澄は母に似て愛嬌があって可愛い系で、私は父に似て痩せてて神経質だとか見た目で今まで判断されてきたから涙が込み上げてきてしまい、涙を流していると「前から思ってたけどさ、麻衣美は凄く可愛い半面凄く優しくて繊細なんだなって思った。まだ15歳のガキだけれど、麻衣美を護りたいンだ」と言い、翔兵くんは私を優しく抱き締め、私たちは見つめ合うとキスをした。
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