【4】見た目で判断しちゃダメ!

2/5
前へ
/67ページ
次へ
夏休みはアルバイトもあったり、翔兵くんは部活やら剣道のクラブで忙しくて、えっちはどころではなかった。 それでもキスはしていて、真澄にバレてるンじゃないかって思うと、何だかイケナイ事をしているみたいでドキドキしていた。 あれから聖人は多恵子に告白をされて、お付き合いをするようになったと多恵子から電話で報告があって、私も翔兵くんと付き合っていることを話し、弓美には内緒だという約束をした。 弓美は正治さんとお別れをし、翔兵くんにグイグイ言い寄っていたが、翔兵くんは全く相手にしていなかった。 そんなこともあってか、私と多恵子は次第に距離を置くようになっていった。 この日は宿題を終えたら、明日プールに行く約束をしていたからそれぞれお互い得意な分野を教えたりしていた。 「あ~わからなぁーい!!もぉ~~やだぁ!」と弓美が駄々をこね始めた。 私はまたいつもこうやって、自分で考えようとしないで答えを多恵子に聞いている弓美にイライラしては、ケンカをしてしまっていた。 「あのさぁ!私たちもわからないの!少しは自分で考えようとしなさいよ!」と、今回もガツンと言ってしまい、案の定ケンカをしてしまって弓美が「何よ!わからないから、聞いてるだけじゃんっ!!」と言い返してきて、ケンカをしていると「二人とも仲良くしよ!」と多恵子が間に入ってくれて、仲直りをするというのがお約束みたいになっていた。 何とか全部終えて、私たちは眠りについた。 眠りについて何時間だったのかわからないけれど、途中でトイレに行きたくなって目が覚めてしまい、トイレへと行ってきた。 トイレから戻ってくると、多恵子が起きていて月をボンヤリと見つめていた。 「多恵子、起きてたの?」と聞くと「うん。麻衣美ちゃん、ベランダでちょっとお話ししない?」と言い、多恵子はニッコリ微笑んだ。 私たちは足音を立てないように歩き、外へと出た。 家の中よりも、何となく夜風が気持ち良くて涼しんでいると「麻衣美ちゃんは、えっちしたことある??」といきなり聞いてきて、私は顔を赤らめて頷くと「そうなんだ…実はねこの間、聖人くんとえっちしたの…」と言ったのを皮切りに、お互いにノロケ合ったけれどSMみたいなことをしているとは口が裂けても言えなかった。 「へぇ~?聖人、優しくリードしてくれたンだ?」と私がニッコリ微笑むと「うん♡明後日テーマパークへデートをするンだけれど、良かったら一緒に行かない??」ととある有名なテーマパークの名前を言われ、私は「マジで?!行きたい!チケットどしたの??あっ、でも翔兵くんに聞いてみてから、多恵子のポケベルにメッセージするね?」と言うと「うん♪チケットはね、お祖父(じい)ちゃんがくれたンだ♪」と言いながら、嬉しそうに微笑んでいた。 多恵子は両親が共働きだったため、大のおじいちゃん子だった。 私の祖父母は遠くにいたから、羨ましかった。 私もあれからポケットベルを購入し、弓美には内緒でお互いに会ってはノロケたりお買い物をしていた。 弓美とのお買い物は、何となく忙しなくて落ち着かなかったけれど多恵子との買い物は、とても楽しかった。 翔兵くんも「多恵子(あの人)なら、大歓迎だよ」と言っていて、弓美に関しては「弓美(あの女)は、嫌いじゃないけど生理的に無理」と言っていて、遊びに来ると遊びに行ってしまっていた。 私たちは寝ることにした。 次の日、私たちは電車に乗って隣町にあるプールへと向かった。 そこはアイドルや芸能人がチラホラやって来るとのことで、弓美はナンパもだけれどゴシップネタを使い捨てカメラで撮影をしたり、探すのが目当てだった。 やはり両親の血筋は否めないねと、多恵子がボソッと言ってきたから私も大きく頷いた。 「誰かいないかなぁ~?」と言いながら、嬉しそうに弓美は周りを見渡していた。 私が「うちら、先にプールに行ってるからねー?」と言うと「あぃよ~♪」と返事が返ってきたから、多恵子とプールへと向かった。 波のプールで泳いだり、流れるプールで遊んだりしていて、ウォータースライダーへと向かうと「ぐうちゃん、大丈夫かな?」と何処かで聞いたことのある声がし、前を見ると内海利恵が見知らぬ男性と手を繋ぎながら並んでいて、男性が「大丈夫だって!俺がいるべ?」と言いながら、優しくニッコリ微笑むと「ぐうちゃんはさ、バイクで慣れてるからいいよ?でも私、こういったの初めてだから怖い…」と言うと、男性の手をギュッと握っていた。 多恵子が「あれって、内海利恵さんじゃない??」とボソッと言ってきて「やっぱし?てか、隣の男性って彼氏かな?」とコソコソ話をしていると、行ってしまった。 私たちも後に続いて行くと、とても楽しかった。 周りを見渡していると「アハハ♡ぐうちゃん!凄く楽しいね♪」と言いながら、内海利恵がニッコリ微笑むと「だから言ったべ?利恵ちゃん、ビビりすぎだよ」と男性が手を繋ぎながら優しくリードをして歩いていて、私たちは恐る恐る声を掛けると「うん♪そうだよん♪」と、いつものフワフワした口調ではなく、弓美や真澄みたいな今時の若い子が話すようなしゃべり口調で驚いていると「このことは、内緒だよ♡バイビー♪」と言い、ウィンクをしてから男性と手を繋いで、次のプールへと向かっていった。 「私、もっとぶりっ子かと思ってた…」と多恵子が言うと「私もだよ!何だかあっちの方が親近感あるよね??ファンになりそう♪」と言いながら、歩いていると「そこの彼女たち♡こんにちは♡」と男性の声がし、恐る恐る振り向くと日焼けをした髪の毛を茶髪にしサングラスをした男と、同じく日焼けした髪の毛を短髪にしている男が、ニタニタと笑いながら声を掛けてきた。 私は露骨に嫌な顔をし、多恵子の手を取って「行こ」と言いながら歩くと「ちょっとぉ♪シカトすんなって!丁度二人ずつなんだしさ、遊ばない?」と言い、多恵子の手を掴んだ。 「やだ!離してっ!!」と言いながら、多恵子も拒否反応をすると「俺、こっちの子にするわ♡」と茶髪の男が言うと多恵子の手を無理矢理引っ張り、短髪の男が「丁度いいな♪俺もこの子がいいと思ってたンだよね♡」と言いながら、私の手を強引に掴んで歩いた。
/67ページ

最初のコメントを投稿しよう!

60人が本棚に入れています
本棚に追加