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家に帰ってくると、香代子さんが来ていて賑やかだった。
「ただいま~!」と言いながら、リビングに行くと「お姉、お帰り♪」と真澄がニコニコ微笑んでいた。
何となくいつもよりオシャレになってると思いつつ、冷蔵庫の牛乳を取り出して小鍋に注ぎ入れてから紅茶の茶葉と砂糖を入れて、温めていると「おっ?帰ってきてたか♪」と言いながら父が部屋から出てきて、父も何となくオシャレになっていて、香代子さんが来るのかと思っていると「こんにちはー」といつもお祝い事があると出前をしてもらっている、従兄弟の元木聖人がやってきた。
私が男嫌いの要因を作った男で、大嫌いだった。
「お父さん、出前頼んだの??」と言いながら、マグカップに注ぎ入れたのを飲もうとすると「立ってるし玄関に一番近いし、ついでだから支払ってきてくれ」と言い、父がお財布からお金を取り出し私にお金を渡してきた。
「えー?!何で私が行かなきゃいけないのよ!」と言いつつ、渋々玄関に行くと「おっ♪しじみメガネじゃんか。何?今日はお祝い?」と言いながら、聖人はニカッと笑った。
「今帰ってきたばっかだから、わかんないわよ」と言い、お金を渡すと「そうなんか?毎度♡」と言うと、聖人はお釣りを渡してからバイクで去っていった。
ふと何がのっているのかが気になり、お寿司を見ると、中トロや大トロが入っていて驚きながらリビングへと持っていき、私も洋服に着替えるためにロイヤルミルクティーを手にして部屋へと入った。
洋服に着替えながら、母と一緒に写っている写真立てを手にして溜め息を吐いた瞬間、インターホンが鳴り、すぐに香代子さんだと思い、慌ててロイヤルミルクティーを飲み干してから洋服に着替え、階段を降りると踏み外してド派手に転んだ。
「いでで‥」と言うと「麻衣美ちゃん、大丈夫?!」と香代子さんが心配をしてくれたけれど、何となく恥ずかしくて顔も見られなかったのと慌ててメガネをかけてから立ち上がり、香代子さんをリビングへと招き入れた。
真澄が「さっき凄い音がしたけれど、お姉大丈夫?」と言いながらも、笑いを堪えているのがプルプルと小刻みに震えていて「大丈夫よ。香代子さんも来てるから」と言い、私はムスッとしながら親指で香代子さんを指差した。
父が「香代ちゃん、いらっしゃい♡」と言い目尻が下がっていて、椅子に座らせた。
「ようやく翔兵くんが来るから、お寿司を頼んだよ♪」と父が言うと、香代子さんが「そんな気を遣わなくてもいいのに…」と言いながら、苦笑をしていた。
真澄が手際よく醤油や小皿などを取りに行き、私は先程のロイヤルミルクティーをお代わりをして飲んでいると、インターホンが鳴った。
父が「ハイのハイのハァ~イ♪」と言い、玄関へと向かっていき「待ってたよ~。お父さんに似てきたなぁ??」と言いながら、何やら会話をしてリビングに入ってきた。
髪の毛は黒髪のストレートヘアで、色白で背が高くてスラッとしたモデルのような男性で、ドキドキしていると会釈をしてきたから会釈をし返した。
んっ??何処かで見たことがあるよーな??
そんなこと思っていると「わぁお♡カッコイイじゃん♡」と真澄がニマニマ笑いながら、コッソリ言ってきた。
確かにカッコイイけれど、でもやっぱり苦手だなと思っていると「お前たちも、こっちに来なさい」と父が手招きをしてきたから、私たちはお茶葉を入れた急須・人数分の湯呑み・小皿・醤油差しをトレイにのせ、持っていった。
何となく真澄がスキップをしているように見えた。
父が全員座ったのを確認すると「やっと全員揃ったね?カンパーイ♪」と言うと、全員まばらに「乾杯」と言いながら、番茶を飲んだ。
何処と無く香代子さんも嬉しそうな顔をしていたが、息子さんは終始無言でお寿司を頬張っていると「はい、ここで自己紹介をしていこ~♪」と父がニコニコ微笑みながら言ってきて、まずは真澄が自己紹介をした。
真澄はこういうことに全く動じないから、羨ましかった。
次は私の番になり、緊張をしていた。
ましてや父以外の男性の前だと、凄く緊張をしてガチガチになっていると「俺、いない方がいいかな?」と言い男性が立ち上がり、リビングを出て行こうとしていたから慌てて「だっだだ大丈夫ですっ!」と言いながら、男性の袖口を掴むと「そぉ?これ知ってる?」と言われ、ポケットから猫の手をしたおもちゃを取り出しカシュッとトリガーを押すと、手が折れ曲がった。
「へっ??何これ?可愛い~♡」と言いながら、私がマジマジと見ていると「大人の玩具」と低い声で耳打ちをされてドキッとし、私は段々と顔が真っ赤になっていき「なっなな何を言ってるンですか!!」と言い、咄嗟に離れると「んなわけないでしょ?」と言うと、男性はニッコリ微笑んだ。
ってこのおもちゃ、どっかで見たよ~な?
私の様子を見た真澄が「ちょっとぉ!何、二人の世界に入ってンのよー?」と言ってきて、我に帰って自己紹介をした。
何となく自分なりにリラックスをして自己紹介が出来たなぁと思い、お寿司を頬張った。
次は男性が立ち上がり、一礼をし「俺は、橋詰翔兵。年齢は15歳。よろしく」と言い、またしても一礼をしてから座った。
15歳?!凄く落ち着いた雰囲気だし背も高いから、てっきり私よりも年上だと思ってた…
そう思いながら、あっという間に一日が過ぎていった。
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