コール

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その電話がかかってきたのは私が小学四年生のときのことだった。学校から帰宅してすぐ、ランドセルを下ろしたのと同時に呼び出し音が鳴った。 「もしもし? ユウちゃん?」 声の主はエリカちゃんだった。エリカちゃんは小学二年生のときに、市外から転校してきた同級生の女の子だ。私の家の近くに引っ越して来たため、私の両親が町内のルールなどを彼女の両親に色々と説明していたのを覚えている。 だから当然のように、彼女が新しい学校に慣れるまで私が彼女の面倒をみてやることになった。クラスは別々であったので校内で顔を合わせるのは合同体育のときくらいしかなかったが、登下校は待ち合わせて一緒に行くようにしていた。 しかし、それも一年程度で終わってしまった。小学3年生になると、男子は男子どうしで、女子は女子どうしで行動するのが「ふつう」となった。私は性的なことに疎く、当時の同級生たちの行動にいまいちピンときていなかったのだが、エリカちゃんのほうがなんとなく私を避け始めたのはすぐに気づいた。エリカちゃんが嫌ならやめようと思い、彼女より早い時間に家を出るようにしたことをきっかけに、私が彼女と登下校することはなくなった。 それから約一年後、いきなり彼女から電話がかかってきたのだ。
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