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「ありがとう、雪華さん。」
「最後までサービスいいね。」
「したいから、してるだけだよ?」
「・・ふふっ、嬉しい!」
「ねぇ、雪華さんってやっぱりどこかで僕と会ってるよね?人の顔を覚えられないから見当がつかないけど・・。」
「久保君が分からないのは、当たり前よ。私、久保君の日常のほんの一部の背景だから。」
「あっ、やっぱり会ってる!もう、雪華さんは背景じゃないよ。仕事以外の時に会ったら、連絡先交換しようね。」
「交換してくれるんだ。」
「うん。雪華さん、プライベートで僕とあったら声かけてね。」
「分かった。勇気を出して、声をかける。」
そう会話をした後、雪華さんはバイクに乗り立ち去っていった。
アパートに入り、玄関の真ん前にある労りの言葉のメモとやることリストを確認した。
「朝の僕、ありがとう。ただ、お客様が3人の日に洗濯物をいれられるとキツイかな。」
そう自分に文句をたれつつも、素直に指示に従い寝巻きのジャージに着替え洗濯機を回す。
その間、店のレポートもとい顧客リストをまとめていく。既存のお客様は追加情報と、新規の雪華さんには新しく名簿に声を出しながら手書きで記入していく。
大変だけど、その方が頭に入るから。
普段は疲れながらその作業をこなすが、今日は比較的に体が軽い。
最後の相手が、雪華さんだったからかな。何より僕自身が満たされている感じがする。おまけに、トマト煮込みの入った袋に夕飯代と思われる5000円入りの封筒が出てきた。気遣いの出来る人だ。
何処で出会ったんだろう。お客様では珍しいタイプ。なるべくだったら友達になりたいんだけどなぁ。
僕は今まで出会った人達の事をまとめたファイルを開いたが、雪華さんらしき人物はのっていなかった。
うさぎちゃんのように、ちょっと手助けしてあげた人なのかな。
あー、気になる。なんであの人、あんなに僕が好きなんだろう。
そうモウモウとしていると、ことりちゃんからラインが届いた。
+病院の窓から夜景を楽しんでたら、猫が会議してた!
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