08:センセイ

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あの後、結構長く彼と喋っていた。僕と違って地に足がついたタイプだけど、生活や容姿を気遣っている辺り話しが合った。 雪華さんも凄く素敵だけど、せっちゃんの部分も前向きな話しをするいい人だ。 家へ帰ると真っ先に壁へ、せっちゃんの名刺を貼った。自信をなくした時、これを見て元気になろう。 でもまさか、営業職に誘われるとは思わなかった。 もしかすると、お世辞だったり下心があったのかもしれない。でも、少しでも別の部分で僕の存在を見いだそうとしてくれて嬉しかった。 案外僕は、太陽の光を浴びても枯れずに前へ進めるのかな。 そう思い、僕は名刺を見ながら眠りについた。
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