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『私のトラウマは、乗り越えられるものだよ。むしろ今回の件で、私は火がついた!』
「どういうこと?」
「・・く・お・く・ん!」
「・・!」
この前より、ハッキリとした発音で声を出したことりちゃん。
僕は愛おしさのあまり、強く抱き締めてしまった。
「もう1回言って!」
「く・お・く・ん!」
「後100回言って!」
『多いよ(笑)』
「ことりちゃん、沢山練習したの伝わる!上手になって凄い!」
『うん、練習した!これならまだ周りが不快にならないでしょ!(笑)』
僕は最後のことりちゃんの書き込みに、衝動的に声をあげてしまった。
「不快なのはアイツだっ!!!!」
「!」
「あっ・・ごめんね、感情的になっちゃって・・。僕、怒りっぽいんだ・・。」
「く・お・く・ん、あ・い・す・き!」
「!」
『怒ってくれて、ありがとう。正直理不尽すぎて私も怒ってた。共感してくれてスッキリしたよ。』
「・・ごめん。僕正直、共感しきれてないと思う・・。」
『えっ、なにその返し(笑)』
「僕、人の心がわからないハンデだから。把握はしているけど、共感までは至ってないと思う。・・ことりちゃんは、僕が親身だから好きになってくれてるでしょ?だから、いつか共感出来てない事ですれ違って、僕はことりちゃんを傷付けてしまいそうで怖い・・。」
ガタガタ震えている僕を、キョトンと見つめることりちゃん。
そりゃそうだ、僕自身何を言ってるかわからない状態だ。
でも心の奥底で思っている本音を呟き、ちょっとスッキリしてしまっている。
『よくわからないけど、私と久保君が一緒にいたい気持ちが同じなのは、ブレない共感だと思うけどなぁ。少なくとも久保君が今思う不安は、私と衝突して離れてしまうことだよね?大丈夫、私も同じ気持ちだよ。久保君とずっと一緒にいたい。もしも何かあったら、その時に解決しよう。何も起こってない事に怖がっててもしょうがないよ。』
「・・そうだよね。ネガティブになっちゃってごめん。ことりちゃんの明るさにいつも救われる。」
『私、明るくないんだけどね。』
「えっ、そう見えないよ?」
『多分、久保君といるから自然にそうなってるんだ。久保君のおかげ。』
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