10:フクちゃん

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朝の事務所。 僕は夢中にスマホを眺めている。 自分の特性的に想定していたが、株は僕のドーパミンを凄く増やす行為だった。 先程ムーちゃんに株を売れという指示が入り、即座に売った。この仕事をしてから1日1000円貯金をしてマメに貯めたお金が1.2倍近くに増えたのだ。 僕はムーちゃんに電話をかけ、感謝の気持ちを伝える。 「ムーちゃん、ありがとう!」 「まさかあの株がこんな大勝するとは思わなかった。てか、私の指示無視でよく分からない企業に全額投資してありえない。」 「だって、ムーちゃんの提示した複数の企業、全部英語名で愛着持てなかった。」 「逆に、なんであのマイナーな企業に投資したんだ。」 「そこの企業、僕の家の近くにあって、皆疲れた顔をしてたけど最近はイキイキしてたから、職場が良くなったのかなと思って。」 「・・ありえない。とりあえず、証券の登録に手こずってた奴が全額投資するやり方なんてリスキーすぎる。分散させろ、てか今度私に会うまで株動かすな。」 「分かった。」 そう電話を終わらし、再度株価を確認する。 あれ、雪華さんが勤める企業、株価凄く下がっている。 僕は雪華さんに電話した。 あっ、でも今日はせっちゃんの日だ。 「久保君!嬉しいけど、朝からどうしたの?」 「せっちゃんの会社の株、けっこう下がったけどどうしてかなと思って。」 「株やるんだね!実は社長が代わって、外部からは評価されず下落したんだ。経歴も微妙だからね。」 「せっちゃんはどうなの?」 「印象は、チャレンジャーって感じかな。保守的思考の社長の次だったから、尚更。まだ未知数な部分が沢山だけど、私の事を評価し海外営業を任せてくれそうで個人的には凄く嬉しい。」 「せっちゃんを評価するあたり、いい社長だ。株買っちゃう。」 「アハハッ!久保君が株買うなら、仕事のやる気も凄く上がるよ、必ずあげてみせる!どれぐらい買うか分からないけど、もしも良ければ100株は常に持っていて欲しい。」 「どうして?」 「持ち続けると、優待で化粧水届くから。」 「そうなんだ、じゃあそうする!」
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