6人が本棚に入れています
本棚に追加
/314ページ
横田君の尻拭いをするため、行き着いた先は、古めかしい平屋だった。
敷地はそれなりの広さだが、家の修繕や庭の手入れが行き届いてない様から、親の土地を引き継いで暮らせているが、そこまで裕福ではないことが伺える。
そこは、別にいい。
気になるのは、そこから聞こえる男の罵声だ。
お客様は、25才の重度の自閉症スペクトラム兼知的障害の女性。
最近母親が亡くなっており、父親と2人暮らしのようだ。
大丈夫かな。新人価格とはいえ高い金を出して雇ってくれるから、それなりの親子愛はあるとは思うけど。
僕は急ぎ足で、家の玄関前に上がり込んだ。
「PUZZLEの久保です。横田の件は大変申し訳ありません。謝罪とご希望のケアに伺いにきました。」
そうインターホン越しで言うと、勢い良く扉が開き、片手で僕は押さえ込まれ、もう片手は自分の下半身を弄くる女性が僕の上にのし掛かってきた。
頭は、くるくるパーマ。目もぐるぐるまわっている。
僕は心の中で、ぐるぐるちゃんとあだ名をつけた。
そして、凄い体臭。これは、お風呂にいれてないな。
「こんにちは。中途半端にされ、苦しかったですよね。申し訳ありません。良ければ僕と、気持ち良くなりましょうね。」
そう宣言し僕は抱き寄せたが、彼女の目はなおぐるぐる回り、「うっ、うっ」とうなり声を出し下半身をいじくりまわすのはやめられないでいる。
「はー・・、すげーな。さすがNo.1ってだけはあるな。」
そういってきたのは、先程の罵声の主であろう、60代位の男性。
「お父様ですよね?改めて、横田が失礼しました。娘さん、押されて怪我とかはありませんか?」
「ないけど、娘がずっとこの調子なんだ・・。やってらんねーよ・・。」
「それはいつから?」
「1週間前からだ。」
最初のコメントを投稿しよう!