10:フクちゃん

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シャワーを浴びた僕ら。 おねーちゃんは僕に服を着せながら、談話をし出す。 「さっき、世間の嫌われ役の風俗って言ってたよね。」 「うん。」 「君の場合は、性を満たすだけじゃなく、心を満たすセックスセラピストだよ。」 「新しい称号!」 「ハハッ!気に入ってくれた?引きこもりを1回のセックスで解決した男!」 「キャッチフレーズ!これお店で使おうかな。・・でもまぁ、おねーちゃんと僕はなんとなく相性が良かったから、上手くいったんだと思う。」 「あ、相性・・!?な、なんの・・!?」 「アハハッ!なんだと思ってるの、おねーちゃんのエッチ~。僕は人間としての相性の事を言ってたんだよ。」 「あっ・・うぅっ・・!」 「・・僕、おねーちゃんと本格的に友だちになりたい!」 「へっ・・?」 僕の目は輝いていたと思う。 満面の笑みで手を掴み、おねーちゃんを誘ってみる。 一方おねーちゃんは、困惑した顔をする。 「ヒント教えるから、僕の事を探して欲しい!で、連絡先交換しよう!ほら、規則で仕事での交換は禁止だからさ。」 「・・ごめん・・。」 「あれ、振られちゃった。」 「違う!プライベートで会ったら惚れちゃう・・いや、もうすでに・・。」 「きゃ~!おねーちゃん、弟の僕にそんな気持ちでいるの?」 「・・うん。そして、この2次元の狭間の関係がちょうどいい・・。ごめんね、私は君の事を調べちゃった・・。大好きなのに、私は私の事で手いっぱい・・君を助けられない・・。」 せっかく体を綺麗に拭いたのに、おねーちゃんは再度涙で濡らしだす。 「僕もおねーちゃん大好き!別に助けるとかいらないけど・・でもまぁ、未来の旦那さんに誤解されないように、やめた方がいいね。」 「み、未来の旦那・・!?」 「うん。今のおねーちゃんを見ていると、将来結婚して子ども作ってそう。」 「いやいや、出来る気がしないんだが・・!?」 「出来るよ、おねーちゃんならきっと。」
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