02:ぐるぐるちゃん

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きっと、入ってないであろうお風呂。ひたすら掻きまくる下半身。 ・・カンジダでは?と疑ってしまう。 「とりあえず、中に入っていいですか?良ければお風呂も借りたいです。」 「別にいいが、娘、全然入ってくれないんだ。」 「水、駄目な人沢山いますもんね。体を拭くのも難しそうですか?」 そんな僕の問いに、男性はハッとした顔をする。 なるほど、その発想はなかったか。そして、お母さんが全てを賄っていた事がヒシヒシ伝わる。 部屋に入り、僕はポシェットからアロマオイルをいくつか出し、それをぐるぐるちゃんに見せ、匂いを嗅がせた。 「これをお湯に混ぜて体を拭くと、凄く気持ちいいんですよ。これがグレープフルーツで、これはベルガモット・・後はラベンダーと・・。」 ラベンダーの香りを出すと、ぐるぐる回っていた視点は明らかに止まり、匂いを堪能しだした。 「気に入りましたか?じゃあ、この匂いで体を拭きましょう。・・とその前に、娘さんに見せる形で僕が先にシャワーを浴びていいですか?」 ぐるぐるちゃんから視点をかえ、男性に問いかける。その僕の提案が彼には奇妙だったらしく、顔を引きつり冷たい目線で返事を返してくる。 「はぁ、何だよその行為?前戯の一環か?」 「水は怖くないと、認識させるための行為です。今すぐ・・てのは難しいですけど、その積み重ねで少しでも恐怖がなくなればと思いまして。」 「・・はぁ~・・なるほどな・・。」 お風呂場に案内された。 昔日本話に出てくる・・確か、五右衛門風呂だ。 お父さんは衣類とタオルを取りに、ぐるぐるちゃんは僕と共に洗面台に。だがそこに入るのすら拒否をしたので、僕1人で入っていった。 何かぐるぐるちゃんの入浴のヒントは無いかと、洗面台を物色してみる。 すると、携帯用のスプレーリンス(ラベンダーの香り)が出てきた。本格的に水が駄目な様が伝わってくる。
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