セイある僕ら

02：ぐるぐるちゃん

シャンプーを篭にいれ、「服脱ぐよ」と一声かけてからゆっくりと洋服を脱ぎはじめた。
すると、ぐるぐるちゃんは顔を半分出して、目はぐるぐるさせてるものの僕の様子を眺めている。あ、この仕草可愛いかも。
それと同時に、お風呂道具一式を持って男性がきた。

「ありがとうございます。あ、衣類の浴衣まで入ってる。脱ぎやすそうなので、助かります。」

男性は黙りこみ、僕の体を目だけスライドさせ上から下までじっくり眺めてくる。
綺麗な体をしてるでしょ？気を使って程よく筋肉をつけてるからね。
そう自信満々に、最後の1枚を脱ぎ捨てた。

そして、ミスをした。

「きいぃぃぃ・・！！」

シャワーを流すと、ぐるぐるちゃんが絶叫し耳を塞いだのだ。
僕はすぐにシャワーを止めて駆け寄った。

「ビックリしたよね、ごめんね・・！」

抱きしめて落ち着かせようとしたが、抵抗されあげくの果てに噛まれてしまう。
だけど僕は抱く事をやめず、彼女の呼吸に合わせて息をする。
すると、抵抗や呼吸もゆっくりになり、落ち着いていく。僕もその事に、心底落ち着いた。

「失礼しました。洗面器に水をいれる音って平気ですかね。」
「あっ、あぁ・・。料理で使う水の音は平気だから多分・・。てか、知らなかった・・こんなにもシャワーが駄目だなんて・・。」

僕は再度お風呂に戻り、洗面器に静かにお湯をいれ頭を流した。
ぐるぐるちゃん、平気そうだな。

「良かったら、体を洗うところ見ませんか？」

ニコヤカに誘いこむと、またぐるぐるちゃんは顔を半分だけだし覗きこんできた。
やっぱりこの仕草可愛いなぁ。

石鹸を泡立て、自分の体を素手で優しく洗ってみる。
すると、ぐるぐるちゃんが更に身をのりだし目は色々な方向に回っているが、僕の体を眺めている。

五右衛門風呂いいなぁ、入ってみたいけど横田君の尻拭いで来たわけだし頼める空気じゃないよなぁ。
そんな事を考えながら、自分の体洗いを終わらせた。

「お待たせしました。体、拭きますね。」

そう言い、僕は洗面器にお湯とラベンダーのアロマオイルをいれる。