11:こわいひと

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コンドームを処分し終えても、僕の興奮は収まらず、勃ちはしないもののことりちゃんにキスをしたり胸を揉んだりと楽しみ続けていた。一方、ことりちゃんはボッーとしている。そんな中でホワイトボードに言葉を記してくれた。 『多分、私は初めて逝ったんだろうな。凄く気持ちよかった。』 「僕も凄く気持ちよかった。10年ぶりに勃起出来た。」 『長い(笑)』 「うん。なのに、ことりちゃんのおかげで治っちゃった。ただ、ことりちゃん以外の相手に勃つ気がしない。」 『じゃあ、私のモノだね。↑』 その矢印の先には、僕の下半身が指されており、彼女は頬擦りをし体を擦り付けだした。 そんなイチャイチャで、あっという間に明るかった空が暗く染まってしまう。 「さすがに、お腹が減っちゃった。」 『ハンバーグとか下準備してあるよ。』 「さすが!ねぇ、お弁当箱とかある?」 『引きこもりが持ってると思う?』 「じゃあ今から、100均で買ってくる。後、お酒も!ことりちゃんのアパート近くの裏に公園あるからそこで食べよう!」 『そんな場所あったんだ。』 「引きこもりだから知らないよね。」 ことりちゃんのリクエストでお酒は柑橘系のチューハイを買い、お弁当箱にことりちゃんが作ったハンバーグやサラダをつめ、ご飯はおにぎりにして公園へ向かった。 「満月!」 「きりぇい!」 裏の公園な小高い山になっており、満月に近付くように登っていく。 もちろん、ことりちゃんは途中で力尽きた。僕は彼女を背負い運んだ。そして、頂上にある長椅子に座り食事を楽しんだ。 「ハンバーグ美味しい!フワフワで柔らかいし、お肉と玉ねぎのバランスが良くて甘味も凄い。手作りのトマトソースもさっぱりして好き。」 『凄いね、ハンバーグ1つでこんな誉め言葉が出るの。そもそも、久保君って沢山の誉め言葉よく出てくるね。凄いよ。』 「・・教わったんだ。マイナスの言葉は口にせず、プラスな言葉は沢山見つけて出せって。」 そう、怖い人に教えられた。 お前の会話は支離滅裂な時がある。でも人は、その人が言いたい事を感じとる機能もある。だから、プラスな見方で物事をとらえ伝えることを習慣づけろと。
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