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「まぁ、私の事はいいよ。とりあえずは、久保君のこと。頭冷やしたいから水を飲んでくるね・・。久保君もちょっと取り乱してるようだから、何か飲み物飲んだらどうかな。後、今日は満月で凄く綺麗だから見てみたら気持ちが少し落ち着くんじゃないかな。」
「・・うん。」
雪華さんがスマホを置き、離れていく音がする。
僕は持ったまま、キッチンへ移動しコップに水をいれ窓から景色を見ながら飲み干した。
月は、丸くてやわらかな光を放っている。
「久保君・・ようは、私の時に残した薬を今使っちゃって、罪悪感で電話を掛けたって事で合ってる?」
「うん・・ごめんなさい・・。」
「久保君というより、薬の依存性の高さが・・。」
「ごめんなさい・・ごめんなさい・・!」
「・・許す!だからそんなに謝らないで。」
「うぅっ・・ごめんなさい・・。」
「ねぇ、久保君。このまんま寝ちゃおっか。」
「えっ・・?」
「寝るとさ、目を覚ました時スッキリ出来るから。私寝るの好きなんだ。今、久保君の声を聞けてすぐ寝れるのが凄く幸せ。電話をかけてくれてありがとう・・。」
「・・むしろ僕の方が、感謝すべきで・・。」
「・・・・。」
「あれ、雪華さん・・寝息がきこえるけどまさか・・。」
「・・・・。」
返答として、スマホの落ちる音がした。
「ありがとう、雪華さん可愛い。おやすみなさい。」
電話を切り、僕も満月を見ながら寝床についた。
うつらうつらしながら、あたたみのある月を見て思う。
僕は皆の優しさで、生かされている。
そう思いながら、夢の中へ落ちていった。
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