12:アーティスちゃん

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彼女は、3年目の付き合いのお客様だ。 売れっ子画家で、口や足を使い絵を描きあげている。 そんな彼女を、アーティスちゃんと呼んでいる。 ストレートに評価されているアーティスト故なのと、彼女的にはアーティストのトの字はいらないという謎の希望でそう呼んでいる。 彼女はネットで僕を見て、一目惚れをしたらしい。そして初対面で会った日、君の評価は顔なのだろうけどそれがズタズタにされ失おうが君を愛すよと告白をされた。 訳が分からないよ。そんな返事をしたら、アーティスちゃんは凄く喜んだ。ボクはドMだから嬉しいと訳の分からない返しをされた。 それ以来、僕の彼女に対する口癖は訳が分からないが基本となった。 「久保、どうこの新作?」 「訳が分からない。」 「いいねぇ、素直な感想。興奮する。このまんま性処理してよ。」 「・・相変わらず訳が分からないし、嫌な言い方。」 「久保は愛に飢えてるから、性処理って言葉が嫌いだよね。でも、両腕がないから出来なくて本当に困っているんだ。」 「そうだよね。もちろん、気持ちよくするよ。」 「性器を舐めるの15分で。久保、タイマーをかけて。」 「相変わらず、訳の分からない縛り時間をつけるね。」 「だって、せっかく久保という素敵な被写体がいるのに、性処理してる時間なんて勿体無い。」 僕は 、お客様といる2時間の縛りとアーティスちゃん特有の縛りの15分のタイマーを同時にかけた。 うっすらと膨れる胸に白い肌。 それらに一切触れず、僕はありのままの長めの毛が生えた彼女の性器へと口をつけた。 クリトリスを吸ったり舐めたり、穴に指をいれ掻き回したり。 「久保、やっぱり上手だね・・。沢山の人を抱いただけある・・。ボクはそんな中の1人に過ぎない・・ふふっ、孤独だよ・・。」 そんなもの寂しい台詞を、楽しそうに言うアーティスちゃん。 絵の具まみれの壁に、絵や画材で乱れる部屋。チクチクするという理由で服を着ない。独自の感性とルール。 僕という存在を通して精神障害を知り、彼女は当てはまる要素が沢山あると自覚し、興味心で病院を診断をして貰ったらしい。判定は、精神障害はないとのこと。 この、変わり者と脳が奇形という存在は紙一重だなと彼女を見て感じてしまう。
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