00:りんごちゃん

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「久保さん、いらっしゃい!」 「後もう少しで、カレーが出来ますよ。良かったら縁側で待っててくれますか?」 お昼ご飯を頂きにきた図々しい奴に、りんごちゃんのご両親は、温かく迎えてくれた。 その後ろに、りんごちゃんは「くー!くー!」と声を発しながら、僕に抱きついてきた。 そして容赦なく、僕のお尻を鷲掴みする。 「アハハッ!りんごちゃん、それ痛いって!」 「す、すみません・・。」 「いや、りんごちゃんが喜んでくれているの、伝わってきます。来てよかったです。」 「ぅ、ぁ、ぁ、う?」 「うんうん。でもね、今日はお仕事じゃなくて、遊びに来たんだ。だから、セックスはしない。ごめんね。ただご飯を一緒に食べるだけなんだけど、いいかな?」 そんな僕の問いに、りんごちゃんはニコニコしながら、手を離してくれる。 「本当に、久保さんの言葉は、よく心に通るんだなぁ・・。」 そう、りんごちゃんのお父さんが感心しながら、縁側へと案内してくれた。 所々、掘られた形跡のある地面。 無秩序にむしりとられた、さつきの葉。 木のテーブルの上の紙皿には、砂とさつきがのっかっている。 僕はこの、りんごちゃんが自由に遊んだであろう縁側の景色が大好きだ。 いや、このあたたかい家庭が大好きだ。 だから、りんごちゃんはいつも笑っているんだと思う。 ほっぺはいつも真っ赤で、ふくよかな丸みのある体、よく管理がされている艶やかなボブの髪。 まさに、あたたかい太陽の元で育ったりんご。 そんなりんごちゃん、今日は僕に来て欲しい日だったらしく、僕の体を触り匂いを嗅ぎ出した。 したそうだなぁ・・でも、出来ないんだよなぁ。申し訳ない。 「す、すみません・・!」 僕の心の声以上に、壮大に謝りながらご両親はりんごちゃんを僕から身を剥がしだす。 だが僕はそんな行為に逆らい、肩を掴んで彼女の頬に軽くキスをした。
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