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「久保さん、いらっしゃい!」
「後もう少しで、カレーが出来ますよ。良かったら縁側で待っててくれますか?」
お昼ご飯を頂きにきた図々しい奴に、りんごちゃんのご両親は、温かく迎えてくれた。
その後ろに、りんごちゃんは「くー!くー!」と声を発しながら、僕に抱きついてきた。
そして容赦なく、僕のお尻を鷲掴みする。
「アハハッ!りんごちゃん、それ痛いって!」
「す、すみません・・。」
「いや、りんごちゃんが喜んでくれているの、伝わってきます。来てよかったです。」
「ぅ、ぁ、ぁ、う?」
「うんうん。でもね、今日はお仕事じゃなくて、遊びに来たんだ。だから、セックスはしない。ごめんね。ただご飯を一緒に食べるだけなんだけど、いいかな?」
そんな僕の問いに、りんごちゃんはニコニコしながら、手を離してくれる。
「本当に、久保さんの言葉は、よく心に通るんだなぁ・・。」
そう、りんごちゃんのお父さんが感心しながら、縁側へと案内してくれた。
所々、掘られた形跡のある地面。
無秩序にむしりとられた、さつきの葉。
木のテーブルの上の紙皿には、砂とさつきがのっかっている。
僕はこの、りんごちゃんが自由に遊んだであろう縁側の景色が大好きだ。
いや、このあたたかい家庭が大好きだ。
だから、りんごちゃんはいつも笑っているんだと思う。
ほっぺはいつも真っ赤で、ふくよかな丸みのある体、よく管理がされている艶やかなボブの髪。
まさに、あたたかい太陽の元で育ったりんご。
そんなりんごちゃん、今日は僕に来て欲しい日だったらしく、僕の体を触り匂いを嗅ぎ出した。
したそうだなぁ・・でも、出来ないんだよなぁ。申し訳ない。
「す、すみません・・!」
僕の心の声以上に、壮大に謝りながらご両親はりんごちゃんを僕から身を剥がしだす。
だが僕はそんな行為に逆らい、肩を掴んで彼女の頬に軽くキスをした。
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