03:おねーちゃん

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「おねーちゃん、セックス初めてだよね。」 「うん・・。」 「人によっては、数回に分けないと入らないんだけど、多分おねーちゃんはそのタイプだと思う。だから、自分で抜くからその姿を描く?」 「えっ・・。」 「無理やりいれたら痛いだろうし、うまくいってもすぐ逝っちゃっいそうで、僕の逝く顔を見れないんじゃないかな。」 「わ、私じゃ逝けないか・・。」 「えっ?そうじゃなくて。本当は、一緒に逝きたいよ?多分その顔が、僕の最大限にエロを感じてるだろうし。ただ、状況的に無理かなって・・。」 「た、堪える・・!だ、だからして欲しい・・!」 そう懇願するおねーちゃん。 その顔は、体のうずめきを抑えたいという欲はなく、真剣そのもの。あくまでも、芸術の被写体として僕を見ている。 「わかった。とりあえず、もう少しほぐして、薬を飲んで勃起。そこをスケッチしてから、挿せばいいかな。」 「・・うん。」 「薬を飲むとキス出来なくなっちゃうから、今沢山していい?」 「は・・はい・・。」 穴を指でほぐしながら、僕は何回も舌を絡めさせた。 キスをしている間、目を強く結んで閉じたりそらしたり、あまり彼女と視線が合わない。 僕は口を外し、手を胸に移動し揉みながら問いかける。 「顔、見てくれないね?」 「っ・・ん、気恥ずかしくて・・。」 「本番大丈夫?顔見れそう?」 「うっ・・ど、どうしよっ・・。」 「・・あー・・。鏡越しで僕を見ようか。バックでいれれば、顔見やすいよね。ただ、その体勢だと奥まで入りやすくて逝きやすいかもだけど、堪えれる?」 「た、堪える・・!」 そう力強い返事を貰った後、僕は最後のキスをして、薬を飲み干した。 ムクムク起き上がる下半身に後退りし、身構えるおねーちゃん。 それに構わず彼女に近づき、僕はスケッチブックを渡し、先程のポーズにして露にする。 「なるべく、早く描いてね・・。体、もたないから・・。」 「う、うん・・!」 時間がたてば経つほど、僕の下半身には熱がこもりだす。いれたくて、先が少し濡れだす中、おねーちゃんは真剣にそれを描いている。 ヒトをモノ扱いするのは、嫌いだ。自分がされたら、かなりの屈辱的な行為だと思っている。 今僕を見ている彼女は、ヒトではない。だからと言って、モノでもない。その曖昧な狭間の中の僕を描いている。僕という人間が、性に翻弄する姿を、冷静に見つめながらスケッチしていく。 案外この視線は、心地よかった。
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