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「りんごちゃん、いっぱい待った分だけ気持ちいいんだよ?だからお預けして、次のお仕事の時の楽しみにしてね?」
頬から耳に口をスライドさせ、りんごちゃんに小声で呟いた。
すると、彼女はニコニコしながら、僕には触れず顔を見つづけている。
彼女は僕の言葉の意味は分かってないであろう。
でも、言葉の雰囲気は伝わっている。
りんごちゃんは、短文の方が伝わりやすい子だけど、僕の言葉は心で感じ取ってくれて、話しが積もるほど気持ちに蓄積するようだ。
そんなりんごちゃんが、凄く可愛い。
「ごめんな・・、久保さんと一緒にさせてあげれなくて。そして久保さんも、うちの娘を気にして頂き本当にありがとうございます。」
「別に、会いたいなと思って来ているだけですよ。後、りんごちゃんのお母さんのご飯は美味しいし。あ、もうそのカレー、食べていいですか?」
カレーを持ち放心しているお母さんに、僕は笑顔で催促すると、口から魂が戻ったさまで、せかせかとカレーを配膳し、食事を促してくれる。
具が細かく切られた、甘めのカレー。
りんごちゃんは、ズボンにこぼしながら、ゆっくりとカレーをすすりだす。
「りんごちゃん、食べるの本当に上手になったね。前、もっと床に溢してたよね?食べる音も、小さくなってる!」
「・・久保さんの影響ですよ。久保さんとふれあい、食事をするようになって・・本当に、この子は変わった・・。」
そりゃ、変わるだろうさ。
三大欲求の性欲を解消してるのだから。
心の余裕が生まれ、出来ることも増えるだろう。
りんごちゃんは僕にゾッコンだね、と明るく返す前に、ご両親は暗い顔で話しを続ける。
「なのに、すみません・・。指名、全然いれないで・・。」
「あ、気にしないで下さい。僕、売れっ子なんで。それ以上に、前のやり方で指名した方が辛いです。うちの店、本当にお金の回収に容赦ないから。」
そう、このご両親、りんごちゃんのために家計を顧みないで、僕を指名し続けた過去がある。
一回、10万・・だっけ?
あ、でも何度か昇格したから、もっと高いかも?
とりあえず、一般家庭ではとてもじゃないけど、出し続けれない破綻価格。
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