04:うさぎちゃん

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指でなぞり、1つ1つの字を確認する。 リピーターさんが1人と、最後にご新規さんが1人。 そんなご新規さんの衝撃的なプロフィールに、何度見ても驚いてしまう。 今日、なりたての18才だ。 僕より年下を相手にするのは、初めて。 「和泉さん、このお客様・・。」 「本当は高校を卒業してからと話してたが、あまりに熱心でな。代々続く大手企業の令嬢だ。すごいぞ、この先お前の事を週一で雇ってる。」 「えっ?」 「太客だ。お前どんなマジックを使ったんだ。」 求めてないのに添付された写真や細かいプロフィールを眺めてみるが、身に覚えのない義足を使ったお客様だ。 世間一般から見たら可愛い顔をしている。なんでこんなに若い子が?オマケに会う前からリピートしてくれているのだろう。 そう疑問に感じつつ、着実に会う時間が近付いてくる。 とりあえず、確実にわかっているお誕生日を祝うため、気持ちばかりのプレゼントを購入してから彼女の家に向かう。 豪邸だ。東京の一等地に、広い面積を所有した洋館。 僕はチャイムを鳴らすと、品のあるメイドが冷たい目で僕を見ながら出迎えてくれる。 「久保様、お待ちしていました。お嬢様が中でお待ちです。」 そう心にも無いことを言われつつ、中を案内された。まだ外は明るいのだが中は暗く、僅かに灯るシャンデリアが、アンティークの内装に趣を与えている。 ファンタジーの世界に入り込んだみたいでワクワクする。 大理石の床を通りぬけて、大きな扉の前に立ち、そのタイミングでタイマーをつけた。バリアフリー化されており、スイッチで扉が横にズレ、入ると勝手に部屋が閉まりだす。 頭を下げ見送るメイドさんを見送った後、正面に視点を向けた。 すると、車椅子にのった片足のない少女が微笑んでいる。 「また、再開出来て嬉しいです。久保すばるさん。」 あぁ、会ったことがある感じなんだ。どうしよう、覚えてない。 そして、店では久保としか登録してないのに下の名前を知っているってことはそれなりに僕の事を調べたんだろうなぁ。
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