00:りんごちゃん

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お店的にはさっさと破綻させ闇金融に落としたかったようだが、僕が希望する細く長い関係を尊重し、たまに食事をして仲を取り持ち、貯まり次第僕に金を落とすという状況を現在維持している。 だってさ、もったいないもん。 こんなあたたかい家庭を、壊すなんて。 「今日も、ごちそうさま!次来た時は、ハンバーグが食べたいです。」 「ふふふっ!そうやってリクエストするなら、もっと早めに来ることを教えて下さいよ!」 「そういうの、出来ればいいんですけどね。僕、気まぐれだから。まぁでも、僕が来るのって、皆がいる日曜日のお昼なんだし、それまでしばらくハンバーグでいいんじゃないですか?」 「ハハハハハッ・・!いいですね、そうしますね!」 僕の意見、採用してくれるんだ。 本当に、良い人達だなぁ。 こんな素敵なご両親に会わせるきっかけになったりんごちゃん。 玄関に座り込み、笑顔で僕を見ている。 僕は既に靴を履き終えていたが、膝で床を歩き、りんごちゃんの口にキスをした。 「また、来るね!」 そういうと、りんごちゃんは全身を悶えさせ、歓喜を奇声で表現しだす。 「・・良かったら、お菓子でも・・と思ってたのですが、やっぱりこの後、お仕事ですよね・・?」 「はい、そうですね。」 自分で聞いた事なのに、ご両親の顔は明らかに曇りだす。 しょうがないよ、僕はこれで生活をしているのだから。 りんごちゃんの他に、性を満たしたい人は沢山いるのだから。 「では、また!」 せめて雲ってしまった玄関に日差しが入り込めるよう、満面の笑みで扉を開けた。
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