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髪を往復して触れるうち、僕はある事を思い出す。
「そうだ、出し忘れるところだった。誕生日が今日だったので、プレゼントを用意したんです。本当に、気持ちばかりのものですが。」
「えっ・・!」
「あっ、ちょっとグチャッとしちゃってる・・でも、中身は固いから問題ないはずです。」
自分のリュックから、折り曲がった手の平サイズの紙袋を手渡した。
だが、受け取らない。
シワになったプレゼントが気に入らなかったのかと不安になったが、うさぎちゃんの表情はウキウキしている。
何で受け取らないのだろう。
疑問に持ち首を傾げると、彼女も不思議そうに首を傾げるてくる。
もしや、僕がプレゼントを開けるべきなのかな。そう感じとり自ら袋を開けると、再度うさぎちゃんの目が輝きだす。
中身は、満月と細やかな星が複数ついたゴム。やはり、僕がつけるべきなのだろうか。
「僕、手先が不器用なのでうまくつけれる自信がないのですが・・。」
「私、髪結んだ事がないんです。お願いできますか?」
「あ、はい。」
手は、使えるのに。崩れたら、その都度人にやってもらったの?お嬢様ってそんなものなのかな。
うさぎちゃんが教えてくれた戸棚をあけ、鏡とブラシを取り出し、うさぎの痕が見えるよう斜め上に結んだ。
が、やっぱり綺麗に結べない。鏡越しから見えるうさぎちゃんも無表情だ。
焦った気持ちが落ち着き息を整え慎重にやった7回目、やっと笑顔で納得する出来の髪型になった。
「ありがとうございます!」
「うさぎが上の満月を目指して跳んでる感じに仕上がった。」
「うふふっ!絵本みたいで素敵ですね。」
「この髪飾りとうさぎを見たら、僕の事を思い出せる?寂しくない?」
「・・はい!可愛いゴムをありがとうございます。」
「うさぎちゃんの方が、可愛いよ。」
僕は頬にキスをし、ソッと抱き締めた。すると、うさぎちゃんは緊張しだす。
さて、どうしようかな。
結局最後までするか分からない状態で、先を促す雰囲気を出してしまったけど。
でも、一応風俗って意味はわかって雇っているよね。しないでモンモンされるよりかは、とりあえず進んでみた方がいいよね。
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