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雇われている側なのに、何を言ってしまっているんだろう。
更に、最後の僕はうさぎちゃんの理想に歯向かい、荒々しく抱いてしまった。
プロらしくない行動と発言に後悔したが、うさぎちゃんにはあまり気にしていないようだった。
「私、頑張ります・・!女を磨いて、すばるさんのお嫁さんになります・・!」
およめさんか・・。
どうかこの先、助けた時の理想的に作り上げた僕じゃなく、現実の僕を見てくれるといいなぁ。後、お話しも聞いて欲しい。
僕は彼女を車椅子にのせ、シャワーへ連れていった。
なんと、リハビリ化されたトイレやバスルームが自室にあり、スイッチを押すと壁がズレ扉が開くスタイルになっている。
暮らすには、快適な部屋。
だが逆に、外に出る必要のない遮断された空間にも見えてしまう。
手すりの沢山ついたお風呂にお湯をためながら、うさぎちゃんの髪や体を洗い流す。
「そうだ、お風呂に精油いれるとリラックス出来るんです。いれてみます?」
「わぁっ!いれてみたいです!どの香りがオススメですか?」
「うさぎちゃんには、ジャスミンとスイートオレンジのブレンドかな。」
お風呂に数滴垂らして混ぜてから、ゆっくりと彼女をいれた。
「スッキリとした甘い香り!素敵です!」
「気に入ってくれて、良かったです。」
お風呂の匂いを嗅いで楽しむうさぎちゃん。
壁越しにタイマーの鳴る音が薄ら聴こえたが、構わずゆっくり自分の体を洗った。
僕の事を熱い眼差しで見る彼女に対し、微笑んで見せる。
・・今日の自分の抱き方は最悪だった。
せめて、最後くらいは完璧でありたい。
うさぎちゃんは何故僕と出会った時、1人義足で街を歩いていたのだろう。
そもそも、何故足がないのか。
そして、義足で歩く事は訓練が必要だ。彼女は努力して手にいれたものもある。
この若い歳で過保護に育てられてる中、どうして処女を失っているのだろう。
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