05:ことりちゃん

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「ねぇ。何でお風呂場に卵の殻があるの?」 シャワーから帰還した第一声。 彼女は明らかに、過ちを犯したように顔を青くする。多分、しまい忘れたのだろう。 触れて欲しくない事かもしれないが、持ってしまった興味心。キラキラ目を輝かせてると、彼女は戸惑いながらも教えてくれる。 『貧乏臭いけど、肌に良いからお風呂にいれてる。』 「なるほど。卵肌って言葉あるけど、卵自体にもツルツルさせる効果があるんだ。よかったら後で一緒に入ろうよ!」 『入りたいの!?(笑)』 「うん、一緒に入りたい。」 『一緒に入る仲になれたら(笑)』 そう少し手は震え、複雑な笑みをしてホワイトボードで伝えてくる。 あ、このパターンは恐くなっちゃって、最後まで出来ないかも。 個人的に残念だけど、お客様優先。 『良かったら、お茶飲んで待っててね。飲み物温かい方が良い?』 「うん。」 『紅茶とほうじ茶とカモミールティがあるよ。』 「カモミールティがいい。」 『手作り苦手?じゃなかったらプリンも食べる?』 「食べる!冷蔵庫で存在見つけた時から食べたかった!」 『めざとい(笑)』 こだわってそうな食器類に、フルーツ、プリンとそれぞれ別にのっている。 お菓子の時間と彼女といる時間が重なり、食べれないと思っていたから本当に嬉しい。 『後、良かったらこれ読んで。』 かなり緊張しながら渡されたのは、ピンクの便箋。 「手紙?あんま貰った事ないから嬉しい!」 『またまた!ラブレター沢山貰っているでしょ!』 「・・本当に貰ってないよ。だから、凄く嬉しい!大切にとっとく。」 『とっとく用の手紙じゃない!』 「でも、大切にしたい。君の字、好きなんだ。」 そう喜んでいると、彼女は動作すらナチュラルさが失った状態で、ガチガチとした動きでお風呂に向かった。 お菓子は、1日1個。 僕はフルーツは手につけず、プリンを口にいれた。卵が濃厚で美味しい。 舌を楽しませながら、僕は手紙を読みはじめた。
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