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手にアロマオイルをつけ、再度マッサージを施す。腰、お腹、背中、肩、胸。撫で付けるようにじれったく。
押さえた手から荒くなった息が漏れだし、彼女が感じはじめている事が伝わる。
僕は、スカートをめくりあげた。
タイツを履ているかと思ったら、まさかのガーターベルト。
一気にスカートを脱がせ、お尻を重点的に触れていく。
「前、見たいな。」
要望として伝える言い方をしたが、強制的に前を向かせた。
先程の緊張はどこにもなく、鼻息荒く涙ぐんだ目と戸惑いの表情。そんな不安な状況なのに、体は随分と受け入れがバッチリに見えてしまう。全体的にムッチリしたグラビア体型。下着はうっすらと透けており、見えにくい黒の筈なのに大切な部分が僅かに見えている。
「すごいなぁ・・。」
素直な感想が口から自然に出てしまう。
僕は様々な場所を撫でたりキスをし、ことりちゃんの感度を探る。
「っ・・。」
どこを触れても、体を捻らせ悶えてくれる。だが、声は絶対に出してくれない。
「もっと声聞きたいなぁ。アパートだから気にしてる?平日のこの時間なら人いないんじゃないかな。」
そう体をいじくり回していたが、ことりちゃんがホワイトボードを手に取った瞬間、僕は動きを止めた。
『声は×トラウマ××』
苦しそうに笑う彼女に、自分の犯した罪にやっと気づく。
どんな快楽が襲ってこようとも、必死に声を堪えているんだから、何かある筈だと察す事が出来るのに。
普通だったら、出来るのに。普通だったら出来るのに。普通だったら出来るのに。
引きずったら駄目、切り替えてこう。僕なら先の行為で挽回できる。
そう心の中で自分を励ました。
「ごめんね。ただ僕は本当に、ことりちゃんの声が可愛くて好きだったんだ。」
引っ張られたくない話しだったかもしれないが、良い意味で思った本音だから素直に告白した。この先少しだけでも、声のコンプレックスが和らいで欲しいなと思い。
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