6人が本棚に入れています
本棚に追加
/314ページ
地上部分だけ見ると、狭い店に見えるが、真っ先にあるエレベーターを降りると、それなりの広さのロビーや講習室、他にもろもろ複数の部屋が存在する。
その中で最も奥にある事務室に向かい、ノックをして扉を開けた。
「んっ~~!!!!」
「も~~、大切なお客様を傷付けたんだから、こんぐらいで済む事に感謝なさい!」
よかった、横田君生きてるし、裸で絶叫するほど元気だ。
でも、教育係のおかまさんに道具でお仕置きされて、凄く痛そうだなぁ。特に、お尻の穴。
そんな光景を録画され、もう2度と表社会へ返させないんだろうな。可哀想に。
僕は飛び散る汚物を避けながら、その奥にいるこわいひとの所へ向かう。
この人、凄いものと戦ってきたのだろう。
そう人生を物語る、筋肉と傷。
特に、片目が潰れて指が二本無いところが印象的だ。
「久保、連日続いてるが、3人目いけるか?」
「薬を使えば。・・和泉さん、横田君のお仕置きはこれでおしまい?」
「お前次第だ。お客様は、次に確実に性欲を満たさなければ、こちら側の違約金を請求するそうだ。」
「そんな流れなんだ。いいですよ、確実に横田君の尻拭いするので、横田君のお尻を解放してあげて下さい。」
そう言うと、横田君は手錠や道具が外され、僕にはお客様の情報と薬が追加で渡された。
「僕、何時頃に着く予定になっていますか?」
「18時だ。」
「あれ、この場所ならすぐだから、結構余裕ありますね?お菓子食べてから出れるかな。」
「・・油断して、遅刻するなよ?」
「大丈夫ですよ、僕にはタイマーがあるので。」
そう会話しながら、確実に電車へ乗らなきゃいけない時間と、着く時間の15分前にスマホのタイマーをセットした。
「悪いな、頼んだぞ。」
「いえいえ。」
「そうだ。俺のお菓子があるから、食っていいぞ。喫茶店に入って遅刻されたら堪らないし。」
「えっ、いいんですか?ありがとうございます、こわいひと。」
和泉さん、優しいなぁ。
・・って。
「キャラメル1個・・。」
「すまんな、これしか残ってないんだ。食っちまった。」
最初のコメントを投稿しよう!