06:ボクはクボ

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「ことりちゃん!?4日ぶりでなんでこうなった?」 『久保君!本当に会えたの嬉しい!後、ごめんね、ここだとうまく声が拾えない。』 確かにここは、院内のコンビニが近くてガヤガヤして聞こえ辛そうだ。 僕は手話で対応する。 『手と足、大丈夫?』 『手話助かる!大丈夫、3ヶ月後に退院出来る。』 『いつから?』 『4日前。』 『僕と会った日に?』 『帰り、歩道橋から落ちたゃって。』 『家まで送れば良かった。なんかごめん。』 『久保君を送ってた行ったのに、更に私を送るって(笑)でも、綺麗な病院の引きこもり生活も案外楽しいよ!何より、また久保君に会えた!』 相変わらずポディティブで優しい彼女。凄く癒される。 そう和やかな空気の中、飲み物を袋いっぱいに詰めた看護士さんが話しかけてきた。 「あら、お知り合い?」 「・・友達です。」 良かった、お客様ですと素直に言う前に言葉を制御出来た。 そう心の中でガッツポーズをする一方、友達と答える間の長さ故か、深い仲と誤解した看護士さんがニマニマしながらことりちゃんを指でつつきだす。 「ウフフフッ!カッコいいお友達ですね!お邪魔だろうし、私は行っちゃいます。あ、これ彼女のペットボトルです!」 僕に袋を渡すと、そそくさと行ってしまった。 『病室いっていい?』 『◯』 車椅子を押し案内されたのは、窓が大きめの個室であった。 病院の植栽が見えなかなか良い景色だ。その前に机とパソコンが置いてある。外を見ながら仕事をしているのだろう、楽しく入院生活を送れている事が目に浮かぶ。 僕は長居する気が満々だったので、僕は荷物をベッドに置いといた。 「個室いいね、ゆっくり出来そう。でも、やっぱり片手ないと色々不便?しにくいかな。」 『うん。やっぱ片手だとしにくいし、逝きにくい。道具もないし。』 ん?下ネタで返されてる。 僕は仕事の事を尋ねてたんだけどなぁ。主語の大切さが身に染みる。 相手が出張風俗の僕だからか、はたまた入院生活で溜まっているのか。 多分、素直にポカンと口を開けてしまったのだろう。ことりちゃんが顔を赤くして顔をホワイトボードで隠しだす。
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