ノスタルジック・ファンタジー4 試練の日

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響く声 ヤトゥーの原野に布陣する黒の軍。 先陣が王子を守るべく、騎馬の歩を軽やかに進めてゆく。 だが、見よ。 なんと、天空より血の滴りし、棘の鎖が降りてきて エルミーのその体を絡めとったのだ。 どこからか現れいでた、天兵の一群が、 囚われたエルミーを囲むように、ゆっくりと天を、 いや、天に掲げられた呪われた城、王都グリタリアを目指し、 昇っていく。 遠目にその光景をなすすべなく見ていた、 マディナスが、歯噛みする。 「ちぃ、ケイアスは、グレンは何をしている。」 その時、エルミーの昇る上空からごとりと転がりながら、 落ちてきた物があった。 それは、ニンジャ・アサシン・シノビの能力を持つ ケイアス・ブラッドのその首であった。 そして、地上に残されたグレン達は、何故か身動きもとれず、固まっている。 そして、その真ん中に、砂で出来た彫像が見て取れた。 それは、まるで、神をも欺く男ダブルクロスを象ったように作られ、 そして、風もないのに、さらさらとその形を崩していった。
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