ノスタルジック・ファンタジー4 試練の日

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話は砂の塔を出た数日前に遡る。   王都へと道を進める一行。ここ何日か、 エルミー以外には聞えぬ不可思議な声があった。 「王子よ。幼き王子よ。 お主は、囚われし兄の為に、身代わりになるつもりはないのか? 『助けてくれー。』と、夜な夜な皇太子は叫んでおるぞ。 助けられるのはお主だけじゃぞ。 おまえが、望むならば兄は返してやろう。 この国の為に決断してはどうじゃ?」 途を進む途上にも、夜眠る前にもその声は頭に直接響いてきた。 ヤトゥーの原野に進むその時、 エルミーは思ったのだ。自分などが軍を動かす事も、 空に昇らされた城の人たちも救ったりなんて出来ない。 (まだ、兄の方が。) そう思った瞬間の出来事であった。 昇りゆくエルミーをどうする事も出来ず、 立ち尽くす黒の軍の前に、 天空より飛獣ホーク・レイドに乗る屈強なる騎士群が ぞくぞくと 現れ出でていた。 後の世に「ヤトゥーの殲滅戦」と呼ばれた激戦が今始まろうとしていた。 天空より現れいでた異形の戦士軍は、 後に『天空の覇者』ホークラウルと呼ばれる事になる。                 予兆編 了 大陸戦乱編へ
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