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俺の、むすめ、なんだよ、な。
沢渡に全てを打ち明けて、俺はどうしたらいいのかを相談したかったのだが、打ち明ける勇気が湧かなかった。
ああ、どうしたらよいのだ。
お前は何をためらっているのだ、早く話せ、他に誰か相談できるの者がいるのかと頭の中のどこかで声がする。
沙羅よ、お前は俺を試そうとしているのか。そう思わずにいられなかった。
「壮介よ」
なに、と応える。沢渡は結構飲んでいるにもかかわらず、真顔だった。
「黙っていてくれと言われていたけどよ、お前が煮え切らないから言うよ」
「だから、なに」
「沙羅はなあ、いつだったか、義父の政治パーティに夫婦で参加したんだと」
「ん、で?」
「クラウンホテル。わかるよな」
「そこは俺が勤務しているホテルだよ。県内市内の有力な政治家は大体あそこでパーティやるね。あとはスターライトホテルとか」
「沙羅はパーティの時に、そこでお前を見つけたんだと」
「え?」
「で、いろいろ考えて、偶然を装って、再会したっていうことだそうだ」
「はあ」
すべては沙羅が仕組んだシナリオ。俺は沙羅の手の平で踊っていたということだ。
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