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【エピローグ】
今世、再び彼の腕の中に戻れなかったとしたら、私は我が身を割かち『花弁』となるだろう。
そして、海を渡って彼の元に行く。
彼の目の前をヒラヒラと舞う一枚の花弁になるのだ。
そして彼の耳にそっと囁きキスをする。
『もう一度だけ、その大好きな瞳で私のことを見て。』
『もう一度だけ大好きな声で私の名前を呼んで。』
彼が花弁を見つめながら私の名を読んだなら、私は天に召されるまで花を咲かせ続けられる。
彼は、唯一無二の大切な人。
そして、たった一人の運命の人である。
私は、彼のために花を咲かせ続ける。
この世で命が尽きるその瞬間まで『魂の繋がり』という大輪の花を咲かせる。
それが私の愛の証だから。
〈了〉
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