青空にブーケを

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あれから私は彼の執筆の邪魔にならぬ様、3日に1回のペースで彼に会いにカフェに通っている。 「茉莉奈さん、こうやってこれからも会っていただけますか?僕を彼氏にして下さい」 彼の緊張が伝わって来る。私はそれを解す意味でも私は何時もの質問をしてみた。 「あなたは今までに嘘をついた事がありますか?」 彼の答えは「ハイ」だった。そしてその後に彼は言った。 「でも人を傷つける嘘は付いた事はありません。後…大切な人を思うが故の嘘は嘘じゃないと思ってます」 私はその答えを聞いて「彼女にして下さい」と返事をした。 あれから私達は色んな事を話して時を過ごし、お互いをわかり合い想いを深め合って行った。月日が経ち、私は彼が執筆をしていても、隣で本を読み、たまに目を合わせ微笑んでと言う静かな時間に変わって行った。 それは彼の部屋に場所を移す様になっても同じだった。翔はパソコンで物語を書く、私は本を読む、時間になったらご飯を作って二人で食べる。 たまに、ほんのたまに翔のバイトが休みの時は夜を共にしている。
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