青空にブーケを

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私は有数のお嬢様大学を出てそれなりのとある企業に就職した。 会社を経営し財界にも名が通る父と、雑誌にも取り上げられるカルチャースクールの有名美人講師の母がいる。いわゆる正真正銘のお嬢様、容姿は母譲りらしい。 学生時代から交際の申し出は他の人より多かったと思う。社会人になってから、その申し出をされる度、同じ質問をしている。 「保土田 茉莉奈(ほとだ まりな)さん、僕とお付き合いして下さい」 「お返事する前にお聞きしたい事があります」 「はい、なんでしょう、何でも聞いて下さい!」 「就職試験の時によくある適性検査ってありますよね?あれはおやりになりました?」 「あぁ、あの無意味に同じ様な質問が果てしなく出て来るやつですよね?やりました、やりました」 「あの中に1回だけしか出て来ない質問があります」 「そうなんですか?!」 「あなたは今までに嘘をついた事がありますか?です」 「あぁ、ありました。はい、覚えています」 「何とお答えになりました?」
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