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───それは、奇しくも遠い過去の自分が抱いていた夢と同じだった。
『世界を救う騎士になりたい』。幼少期の戯言だったかもしれない、だけどその時リュードは確かにその夢のために努力してきた。
もしも、まだ生きる意味があるのなら。
もしも、生きる意味がかつての夢に繋がるのなら。
とうに捨てた夢をもう一度拾い上げ、この男とともに実現してみてもいいんじゃないか?『無敵の踏破者』ですら敵わなかった『終局』を打倒出来れば夢が叶うんじゃないか?
「やる気があるなら今一度、俺と一緒に剣を持って立て」
「───。…こんな私を、本気で受け入れる気なのか…?」
「俺もセインも本気だ。マリーラは気にしてないだろうしアリッシュはわからんけど、目的が目的だけにお前の協力はあって困ることはない。説得なら俺がしてやるよ」
「私の意見を聞き入れてくれるビジョンが全く見えませんけどね…」
「つまりそれだけ本気ってことだな。リュード、後はお前次第だ」
「…………………私は、過去に償いきれないことをしてきた…」
『絶廻』の剣を拾い上げ、片膝をつく体勢になったリュードはユラシルの前で深々と頭を下げて。
「そんな私を仲間として迎え入れてくれるのなら、失った騎士の信条を取り戻し、必ずや期待に答えられる働きをすると誓いましょう」
切っ先を天に向けて両手で握るそれは、騎士が主に忠誠を誓う作法。
「───この命、『無敵の踏破者』ユラシル・リーバックに捧げます」
「堅苦しいのはいらねーよ。これからよろしくな、リュード」
道を踏み外したなら戻ればいい、それが出来るかどうかは当人の努力次第。
『安寧の番人』リュード・イブカスター。
失った信念と償いを抱え、この時をもって『未踏の開拓団』の一員となるとともに、ユラシルたちと新しい道を進むことを決意した。
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