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「見つからなければ探せばいい」
リュードの状態を見抜いたかのように言うセイン。
「今は無くともユラシルと行動をともにすれば何かが見つかるかもしれない、きっとこの男を見続ければ見えてくるはずだ、貴様の本当にやりたいことが」
「………私の、やりたいこと…」
「セイン、今のこいつに答えを出させるのはちと酷だと思うぜ?」
「では何か他にあるのか?」
「イブカスターは騎士の名家だ、バリメスに扱き使われてきてもこいつの中には騎士の信条がまだ残ってるはず。なら、仮の生きる理由を与えてやる方がいい」
ユラシルはリュードの前に立つ。おどおどとした様子のリュードはまるで迷子になった子供のようで、だとしたら一番効率のいい方法は、
「俺の目的は『終局』を殺して世界の崩壊を阻止することだ」
「ッ…!?」
「俺は一度あいつに負けた。だから千年前のこの時代に飛んでリベンジを果たしに来た。アリッシュ、セイン、マリーラは俺の目的に協力してもらうことになってる。もちろん強制じゃないけどな」
「半ば強制だったと思うが?」
「お黙り。コホン、リュードだっけか?お前がまだ騎士の心を持ってるなら、今まで騎士らしくないことばっかりやって来たなら、もう一度騎士として立ち上がってみろ」
「……騎士として…?」
「リュード・イブカスター、俺と一緒に来い。一緒に世界を救ってみようぜ」
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