第6話 自分勝手、だからこそ

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例え国王たちの命令であっても。 例え三大国を敵に回しても。 「ヤバい状況なら手を貸すことは惜しまない。けどもし強制で、しかも俺の知らないところで勝手に話を進めてるなんてことになってたりしたら──」 ユラシルの目付きが、空気が変わる。 決して一国の王たちに向けてはならない明確な敵意をちらつかせて。 「──同盟国の最初の敵は俺ってことになる。覚悟があるなら受けて立つぜ、国王様たち」 「………ふむ、なるほどな」 アベルセン共和国国王が唸った。 「王女セリッシャが言っていた通りになったわけだな」 「こんだけ雁首揃えてんのになぁ。まさかとは思ってたけどマジらしい」 「……フフッ、それでこそ、ということでしょうかね」 「あん?」 「ユラシル・リーバックくん、今の話は無かったことにしましょう」 「おっ!?あざます!」 「ただし、あなたが言った言葉の通り協力はしていただきますよ」 「もちろんもちろん!で?そのヤバい事態ってのはなんなんすか?」 「ユラシル・リーバックくんは聞いたことありませんか?『五忘聖(ごぼうせい)』という言葉を」 「…………………ん~~~?マジで聞いたこと無いっすね。なんなんすかそれ?」 「『五忘聖』とは各国の犯罪者たちが徒党を組んで形成された反国家団体です。様々な国で認定された特級犯罪者たちの集まりで、すでに国を二つ滅ぼしている凶悪集団です」
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