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『騎士演習交流会』。
それは四ヵ国のそれぞれの国に住む有望な子供たちを一ヵ所に集め、騎士の考えを学び己を高めるために設けられた伝統行事である。
今回の開催地であるテイミスク連合国に集まった子供たちは五日間の訓練を経験し騎士がなんたるかを直に学ぶ。自分に足りない物、他国の子供たちの実力を肌で感じるとても有益な行事だ。
「くぁあ~~~ぁ………退屈だなこりゃ」
ただしそれは騎士を目指す者のみの話であって、騎士を目指していない者には興味の薄い行事だった。
ユラシル・リーバックがその一人。彼は騎士になる気はさらさら無く、『騎士演習交流会』に参加したのも開催地がテイミスク連合国だったから。"一晩でテイミスク連合国を見て回った"今のユラシルには退屈でしかない時間だ。
だが訓練ならユラシルにだってためになることだ。それなのに退屈と言ってしまうのには理由がある。
「…ちょっと」
「ん~?」
「もう少し本気でやってほしいですわね。仮にもわたくしたちを指導する立場にいるのなら」
「ちゃんと指導してんだろぉ?はいっ、じゃあ次は走り込みね~。俺がいいって言うまで走り続けてね~」
「殺す気ですの!?」
参加者としてやって来たユラシルが、どういうわけか指導者側に立っているからだ。
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