第2章

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「あ、新歓に来てくれたんだね。ありがとう。適当に空いてるところ座って大丈夫だよ。」 ピンクゴールドのアクセサリーが映える、あの先輩が優しく葵に声をかけた。 葵はそれが聞こえていないのか、突っ立ったまま、代表たちがいるテーブルを凝視している。 「お待たせー。長くてごめん。」 香奈子がトイレから出て来る。 「あ、ううん。全然。」 「私ここで待ってようか?」 「あー良いよ先戻ってて。」 「ほんと?わかった。」 おぼつかない足取りで、香奈子が席に戻って行く。 私も急いでトイレを済ませ、席に戻る。 葵はどこへ行ったのだろうか、と周囲を見渡す。 すると、あの甲高い声が聞こえて来た。 ぎょっとして、その方向を見ると、葵と目があってしまった。 さっと目をそらし、目の前にある水を飲み干す。 「悠ちゃん、水じゃなくてこっち飲みなよ。」 そう言って先輩がお酒を勧めて来る。 葵の視線を感じながら、私は先輩の勧めに聞こえないふりをしていた。 「悠ちゃんのぶんまで、私が飲むので、大丈夫です!」 なぜか香奈子が張り切って、私に差し出されたお酒を飲みほす。 「おおー良い飲みっぷりじゃん。」 「けどさー俺は悠ちゃんに飲んで欲しいんだよね。」 「なんでですかー。」 香奈子が少しがっかりしたように聞く。 「そりゃ悠ちゃんは可愛いから。」
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