"ちゅう"の人生もなかなか良いものよ!

1/3
13人が本棚に入れています
本棚に追加
/3ページ
私にしては珍しくその日に限って電車のいすに座った。 いつもは座らないのに、かなり空いていたからだ。 しかし、次の駅で人がどっと乗って来てあっという間にいすは満席になった。ここから、二つ先の駅は大きいショッピングモールがあるので直ぐにまた空くはずだ。 ショッピングモールのある駅を越えると、予想通りみんながまんべんなく座れる環境になっていた。 電車が発車すると対面したいすに座った小学校6年生くらいの男の子3人が大きな声で何かを言い出した。 「上、中、下……」 「上、中、下?」ってなんだろ? 確かに「じょう、ちゅう、げ」と言っている。 それも不規則に「じょう、ちゅう、ちゅう、げ、げ……」 男の子たちの目がどんどん左に移動していることに気づいた。 なんと、男の子たちとは反対のいす、つまり私の座っている側の女性を見た目で次々と査定していたのだ。 私は一番端っ子に座っていたので評価が分かりやすい。 とんでもない子どもだ!と思いながらも自分はなんて言われる?と思ってしまった。 不覚にも、チラッと女のサガが出てしまったのだ。
/3ページ

最初のコメントを投稿しよう!