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私はそこで立ち止まると、彼は私より一歩前に出て四方をグルッと見回す。
またあちらこちらがざわついてるのがわかる…さっきもそうだったけど、部外者がこんな堂々としていたらそれも当然か。
そんな中、彼はゆっくりと息を吸い、腹の底から声を張って叫んだ。
「いいか!!今後この女に何かあってみろ、覚悟は出来てんだろうな!!」
「…!!!!」
その場にいた誰もが驚いただろうが、おそらくすぐ脇にいた私が一番驚いた。
彼の一喝は一瞬にして全校の空気を変え、そして徐々に浄化されていく。
それからほんの数秒、まるで水を打ったように静まり返ると、
「すいませんでした!!」
突然何処からか誰かの叫びが聞こえた。
更にそれを合図に四方八方から口々に謝罪の叫びが全校を支配し、どういう状況なのかわからなくて困惑する。
それから暫くしてそこへ校長先生が駆け寄ってきて、校長先生でさえも彼に深々と頭を下げて謝罪した。
「今後このような事が決して無いよう精進致します、本当に申し訳ありません!!」
「え……?え…!?」
本当に本当に…彼は一体何者なの!?
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